
敬意と感謝を込めて
人生の尊さとお看取りの仕事
医師には「死亡診断」、いわゆる「お看取り」の仕事がある
僕はいつも、その人が人生を最後まで生き切った、という気持ちを込めて
「ご苦労様でした」
とご本人さんに声をかける
色々なことを乗り越えて100年近い人生を生きるのはもとより
若くても病いや障害と共に生きる日々
それはその人にとって苦労ではなく日常であったりもするんだろうけど
それでもその日々に敬意をもって「ご苦労様でした」といいたくなる
人と人との関係性
そして、その人の人生そのものでなく
その人と自分の関係性から
「ありがとうございました」
と、心から言いたくなることがある。
長さだけではないけども、4年が経つとそういう気持ちになる人も増えてくる
外来でいろんな話をして、在宅に移行するとその人の空間でまた別のその人が見えてきて、さまざまな葛藤と共に施設に入ってからもそのいろんな思いをきくことができて
感謝と共にお別れする
先日のお看取りはそんな人のお看取りだった
近いとは思っていたがそれでも向かう車の中では涙がこぼれたし
なんならお看取りの時もご家族と一緒に泣いてしまった
(ご家族ともたくさん話をした、4年間の関係性がある)
そんな時に自然と「ありがとうございました」とその人に言っていた
時の経過と共に、そんなお別れは増えてくるんだろうなと思う
寂しい気持ちはもちろんあるけども
心からそう思えるような仕事をしていることは
とても幸せなことだなと思う