子育ての大前提を忘れている育児漫画
先日、ニュースサイトからこういう漫画を発見した。
2児の父として看過しがたいので、思うところを述べさせてもらう。
この記事によれば、作者は男らしい。
赤ん坊視点から「パパはッ、圧倒的に役に立たない」と言わせ、子育てを野球チームになぞらえて、母親が八面六臂の四番ピッチャー、父親はろくに活躍できない選手として描かれている。最後は、同じチームとして父親にも母親を励ますことはできる……という話だった。
作者は圧倒的に勘違いをしている。
子育てを野球に例えるなら、稼ぎ手(作中では父親)の役割はプレーヤーではない。
球場を作り、試合を主催するオーナーである。
母親というプレーヤーが八面六臂の活躍をできるのも、雨露をしのぐ家があり、赤ん坊のおむつや食事を入手できる金があるからである。作中でも描かれているとおり、その生活基盤を支えているのは深夜まで働く父親である。
オーナーがプレイヤーとしての働きができないからといって、自虐的になるのは端的に言って自己評価が低すぎるし、己の役割を理解できていないとしか思えない。稼ぎ手がまっとうに働くことは、育児の大前提である。
奥さんも「あなたが働いてくれるおかげで、安心して子育てに専念できるわ」と一言あればいいのにと思う。世の中には、赤ん坊がいるのに働かない夫、家に金を入れない夫などいくらでもいる。働いて家庭に金を入れ、生活基盤を作るのは褒める価値もない当然の義務ではなく、極めて高い徳なのだと男女ともに理解しておくことが必要だ。
こう書いているが、僕の妻も「あなたが働いてくれるおかげで、安心して子育てに専念できるわ」などと言ったこともない(怒)。だから僕は、恥を忍んで自ら子供たちに、彼らの生活は唯一僕の収入が支えているのだとことあるごとに説明しているのだ。
黙っていたって感謝されないよ。
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