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mizutama_blue
心よ、いつもご苦労。(518字)
活字依存に陥りました、お金がないのに本に散財。とりあえず本を買っていれば救われる自分がおり、本を読んでいれば大丈夫だと思える自分がおり、ああカバンが重い、これはもう本をカバンに入れてると言うよりも何万個も活字を担いで生きているようであり、その場合、1字あたり何グラムなのやに至りけり。
でも活字は星の数ほどあってもトートバッグに収納できるっていうのが魅力的であり、尚且つ何万個あろうとも掌に乗るという、壮大さとチャーミングさの両方を兼ね備えた存在だと私は思っとる。
ただ目の前にいるのに直で触れられないというデメリットがあり、水族館のジンベイザメ然り、刑務所の面会室然り、エコーで見る胎児然り、どれだけ愛おしい活字の表現や文章に巡り合っても、この手で触れられないのであり、
ただ触れることができるのは己が心のみであり、活字たちが紡いだ表現が心に触れ、それが美しくも哀しくも重くのしかかり、表現の部品となる活字の質量は決まるんやと今書いてて思い、おーええやんってなってる。
心よ、君は活字の体重をつねに測り続けているのであるな。それを数値で報告せず、私の脳へと情報を運び、笑顔の数や涙の量で示してくれているのだな。心よ、いつもご苦労。
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