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piccolotakamura
未映ちゃんと呼ばせて!(679字)
集中力いうんは死者の心電図みたいに一定ではなくて、生者のように波波としていて、てことは集中力の波は人が生きている証明であり、それを見える化したものが心電図なのかしらとか思うぐらいで。つまりわたくしは今、その波の最高到達点に君臨しており、その波乗りのお供には小説があり、川上未映子。
彼女のエッセイ『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』。これからは『そらすこん』と恐縮ですが呼ばせてもらいますけんども、わたくしはこの作品を読み終えてしまう未来がすこぶる恐怖であって、わたくしにとって『そらすこん』は今やお守りであり、相棒であり、カバンの中にそらスコンと入っとってもらわんとワナワナしちゃう有様であり、
初めてエッセイというものに出会ったのが『そらすこん』で。フィクションという薄っぺらいのにかちこちの壁に阻まれて、すりガラス越しにしか作家の素顔を見れない我々小説読者にとっては、このエッセイなるものはノンフィクションであり、あの駅にいたの、川上未映子じゃね?ってぐらい鮮やかに作家を感じられるのです。
川上未映子、喋ったことないし会ったことないけど恐縮ですが未映ちゃんと呼ばせてもらわせてもろて、未映ちゃんにはこの世界はこう見えてんのやな!ほな今私が駅ホームから見てる高円寺はどう見えるん?!
未映ちゃんは、ものに感情を与えるのは自分の心境次第みたいなこと言ってたから、わたくしが『そらすこん』よんでるときは、車窓から見える杉並の家家の屋根屋根に未映未映が見え見えしてる、というか予測変換機能、みえこで何回も入力してんねんから早く未映子を覚えよか!
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