漫画みたいにかっこよかった先輩の話
中学の時、卓球部に所属していたんですが、その時の一個上の先輩の話です。
私たちの学校の卓球部は恐らく読んでくださってる方のイメージとはかけ離れてはいなくて、俗にいうインキャという部類でした。
でも、その中で1人だけ、全然インキャじゃない、かっこいい男の先輩がいました。
その人は公式試合前にちょっと顔見せるくらいで、普段はちゃらんぽらんで全然部活に来ずに遊んでいて、でも、卓球部の誰よりも強かったんですね。(かっこよすぎでしょ照)
先輩の見た目のイメージは、二次元だとテニスの王子様の千石清純とか、ヒカルの碁の三谷とかです。3次元でいうと、染谷将太とか池松壮亮みたいな感じ?とりあえず当時は、小柄で、髪の毛長めの癖っ毛で、ちょっと色素薄めの茶髪っぽい髪色で、何を言いたいかというと、私の性癖ど真ん中!という感じでした。
私が入部した時は、男子は三年の先輩含め、試合で入賞(上位8位)した人は誰もいなかった弱小部活だったのですが、そのかっこいい先輩は二年生の時に試合で入賞してました。さらっと。
というわけで、大会になると、個人戦男子はすぐにみんな負けて、その先輩のみが残って、大きい体育館に何台か卓球台を残して、入賞をかけた試合をするんですね。
私の同級生の卓球部の女子は4人しかいなくて、いつもそのかっこいい先輩の試合を4人で体操座りして応援してました。
で、またその先輩がキザで、試合前にタオルとか渡してきて「これ持ってて」とか言ってくるんですね。
それだけで、こちらの女子陣営は目がハートでキャーキャーもんですよ。それ分かってたんやろなぁ。。。さすが色男だ。
で、セットの合間に汗拭きにやってきて、タオル渡して、汗拭いて、また「持ってて」とか言ってくるんで、もう目がハート(以下略)
しかもかっこいいのが、先輩は珍しく「カットマン」というプレイスタイルを取っていました。
今ではなかなか珍しいんですが、ちょっと前は流行ったプレイスタイルで、速攻や攻撃をせず、受け身でボールを拾い続けて相手のミスを誘うようなスタイルです。
またそれがかっこいいんですよね。どれだけ打たれても、厳しい打球も、全部カットで返していくんですよ。で、相手がミスして点取ってもポーカーフェイスで淡々と試合を続けていく。
もちろんキザなところもかっこよかったんですが、そういう卓球に対する姿勢も好きでした。
試合が終わったら、タオル取りにやってきて、その時は負けてしまったんですが、「応援ありがとう」と真顔で言って去っていきました。イケメンすぎるなんなん。
そんな感じで、漫画に出てきそうな寡黙で強い先輩というのがいたんですね。
その先輩のことを、最近までずっと忘れていたんですが、ふと、何してるんやろうと思い出したんです。
珍しい苗字だったのと、私の勘で、何かしら成し遂げてそうだなというのがあったので、本名で調べてみました。
するとなんと、見覚えある顔がヒットしました。
(相変わらず普通にめっちゃイケメンでした)
顔写真についている文章を読んでみると、とあるアニメーション会社に勤めているようでした。
よくよく読んでみると、誰もが知っているような有名な作品(少年誌とかジャンプとか)のアニメーションプロデューサーを務めていました。(※最近見たゴールデンカムイではありません)
あんまりアニメの制作について詳しくなかったので、そのときは、「やっぱすごいなぁ何者かになってるやんか」と思ったくらいだったのですが。
そして少し経って、最近、彼が担当しているアニメを見る機会がありまして、そういえば、と思い出し、普段は見ないクレジットを飛ばさずに見てみたんですね。
すると、オープニングのクレジットにしっかり名前載ってまして、びっくりしました。どーん、と。というか責任者?なの?アニメプロデューサーって。思ってたよりすごい人じゃん。
恐らくプロデューサーの中ではかなり若手なので、アニメの仕上がりは世間の声的には賛否あるようなのですが、私は陰ながら応援しています。
あの時の超かっこよかったキザな先輩。いつまでも私のかっこいい先輩であり続けてください。
最後に脱線しますが、先輩のかっこいい?エピソード。
その1
中学当時、体育の長袖ジャージ(指定)のものがあって、まぁ青々としたダサいジャージなのですが、5年前くらいまでは男子は紺、女子は水色の旧タイプのジャージだったんですね。
で、学年に1人か2人、お下がりとかで旧ジャージ来てる子は居てたんですが、まぁ珍しくて、それがその先輩は紺色の旧ジャージを着ててですね。それがクソかっこよかったというか、オシャレだったんですよね。
その2
私が中3で先輩が高1のとき、私の友達が通っていた個別指導塾に先輩も通っていたようで、そこでの先輩のエピソードです。
先輩は筆箱にルパンの不二子ちゃんのキーホルダーをつけていて、それを先生と一緒に長さを測って何等身かとか、おっぱいが何センチかとか、測って遊んでたらしいです。
なんか男子高校生って感じでお茶目な先輩の一面を知られてキュンとしました。
その3
先輩が卒業式の日。「おめでとうございます」と言うためだけに、卓球部の同級生と外で待機していたんですね。
で、式が終わって、写真とかを撮ってる先輩を横目で見て待ってたんです。
私たちの中学は男子は学ランで、だいたい学ランの下ってカッターシャツ(白シャツ)だけ着るんですが、先輩はなぜか学ランの下にネイビーのセーターを着込んでて、その日多分暑くて、写真撮るのに学ラン脱いで、セーター姿でウロウロしてました。
中学生の私にとって、現実で見る男子の制服って学ランしかイメージなくて、黒ズボンに白シャツにセーターは、学園ドラマで見るブレザー制服のブレザー脱いだ版みたいで、めちゃくちゃかっこよくて。
なんで最後の最後までこんなにかっこいいんだ!と嘆きました。そして、「卒業おめでとうございます」と言って「ありがとう」と返ってきた言葉と顔が、私が先輩を直接見た最後の姿です。
先輩の服かっこよすぎん?てか第二ボタンなくね?だから学ラン脱いでたんか?と卓球部の同期とコソコソ話しました。多分だけど、当時付き合ってたと思われる彼女にでもあげたのでしょう。
これからもたくさんのアニメをプロデューサーとして広めて、先輩の名を知らしめてほしいなと思います。
あの時は言えなかったけど、、、
先輩、めちゃくちゃかっこいいです!
恋愛感情があったかどうかは、今となっては分かりませんが、大好きでした。尊敬してました。なにより、私の青春の一部でした。そして今でも、大好きだし、尊敬しているし、青春の一部です。ありがとう先輩。
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