春傷
春が深まるにつれて僕の行く先々に形のない不安が散らばっていて、ソレから逃げるために部屋をひっくり返しては一つ一つ並べてを繰り返す。
いつの日かの辛かった30点のテストで鶴を作った。
どこか遠くへ飛んで行ってはくれないかと思いながら壊れたライターで羽に火をつける。広げられた羽は紅く綺麗に舞い散る。
ある人が言う"世の中生きにくいよね"がとても眩しく感じて言葉が詰まった。
その人のソレに対して僕は答えを出す事が出来ない。だって、僕はまだその場所にすら立つことができていない。
これは僕自身の才能であり呪いでもあるが、今までなんとかなってきてしまって行き詰まる所までいかない。だが、才能には賞味期限がくる。
だからもし、僕の賞味期限が切れたらその時は君に廃棄として殺して貰いたいな。
これが愛だよといいながら。
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