こどものままで、
暖かくなってきて珍しく外に出てみようと道を歩くと春をみつけることが多くなった。
学生が自転車を推しながらゴールデンウィーク何をしようかって笑い声が聞こえた。
学生の時は将来が不安でしかなくて沢山のことを感じて考えて、色んなことが辛くてそれを絞り出して言葉にすれば『大人になったらもっと辛い。』『今からそんな事言っててどうする。』と色の無い言葉をかけられた。
今がこんなに辛いのにもっと辛くなるのかと思うと先が見えなくて自分で自分に線をひく。
前に習え。誰に習って何になれるというのか分からなくて、個性を大切にするなんて表向きで社会に適合するために個性を潰してくる大人が大嫌いでそれならこどものままでいいと抗い続けた。
この前、私が嫌いな先生に会った。
中学の頃の辛い思い出が込み上げてきて心がギュッとなった。
私の前で静かに泣きながら先生は昔を撤回させてくれと私に放った一言。
『大丈夫、今辛くても大人は楽しいぞ』
その瞬間、私を呪っていた言葉がすっととけた。
大人も涙を流すんだ。大人も辛いから抗って生きているんだ。私たちが嫌いで憎んでいたのは一体なんだったんだろう。
先生、こどものままがいいなんて戯言言いながら大人になっていくのちょっと悪くないかも。
もう、お家へ帰ろうか。
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