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いい野菜を作ろう!っていうけれど、いい野菜って何!?
農タイムズ編集部の井上です。
冬野菜が並び始めてお鍋にしようか。おでんにしようか。とワクワクしながら野菜を手にとっている中、ふと「あれ、いい野菜って何だろう」と小さな疑問が湧いてきました。
消費者目線で考えるいい野菜とは
「美味しい野菜?」
「綺麗な野菜?」
「栄養素が高い野菜?」なのか。
そして、農を営む側の目線としては一体何がいい野菜なのか。
農タイムズを通して農を営むことに興味が湧いてきた農タイムズ編集部の井上がいい野菜って何だろう?という疑問を解決するべく、今村編集長にいい野菜とは?というテーマで語っていただきました。
井上:早速聞きます!野菜を作るにあたって「いい野菜」って何ですか!?
今村編集長:率直ですね。笑 例えば井上さんが思う「いい野菜」って何だと思いますか?
井上:なんでしょう。よく聞くのが「美味しい」「カタチが綺麗」「栄養価が高い」ですかね。
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今村編集長:ですね。まさにそれが正解の一つだと思うんですが、結論から言うと農を営む側から見てのいい野菜とは「どういう想いを持って、それを誰に届けるか」。それによっていい野菜の価値観は変わってくると思うのです。会社でいう「理念」のように自分の野菜作りの信念がいい野菜の基準になってくるんではないのかなと思ってます。例えば有機野菜なんかは消費者に直接野菜を提供することが多いと思うのですが、これは消費者の顔を見てビジネスをしているというか、野菜作りをしている。だからなるべく農薬を使わなかったりするわけで。
井上:なるほどですね!確かに自分たちがどの方向性を見て野菜を作るのかで「いい野菜」の定義が変わってくる気がします。ふむふむ。
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今村編集長:ですです。ただ消費者側は「美味しい野菜です!」と言われた時にどの基準で考えるかというと、産地直送や農家さんから直接買っている方はもちろんですが、今は大多数がスーパーとかで普段野菜を購入されている方が多い。そうなると、安くて形が良くて「何か美味しそう」という感じが伝わってくる、そういう野菜が「いい野菜」だと本能的に考えていると思います。そういった方々にとっての「いい野菜」に向けて野菜を作るとなると、大量生産を考えて農薬を使ったりしながら安定的に野菜を提供し価格も安定させることが重要だと考えられますよね。ただ、これは本当に消費者の価値観であって、「だからこそいい野菜とは!!」という結論って、バシッとは出せないと思います。だからこそ、農を営むというのは面白いですよね。作る側も高すぎると売れないし、需要と供給のバランスという話になってきそうですね。
井上:そうですよね。確かにビジネス的に考えると、よりわかりやすいですね。自分が例えばJAさんとか卸先に目を向けて割り切って作って生計を立てていくのか。ダイレクトセリングのような形で消費者に直接販売でやっていくのか目を向けながら考えて作っていくのか、「自分がどの方向性で野菜を作っていくのか」は非常に重要ですね。今村編集長にとってのいい野菜の定義をお聞きしてもいいですか?
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今村編集長:そうですね。やはり私にとってのいい野菜とは口に入れる方たちの顔を思い浮かべながら作る野菜ですね。それだからこそなるべく農薬を減らすという。そして農薬を減らすと環境にもいいですし、うまく作ればコストも下がりますし。何より農薬を規定通り使用していれば、残留農薬がほぼないとはいっても、撒いている側はすごい気持ち悪くて、こんなドロドロしたものをバーってかけて大丈夫かなと思ったり、逆に採れたてって農薬がついてそうみたいな。笑
採れたて=新鮮じゃないみたいになっちゃうんですよ。気持ち的にですね。だからこそ、規模は大きいけれどもなるべく農薬を減らして、農薬に頼らない農業をしていきたいなと、個人的には考えています。
井上:確かに口に入れるものってすごく大事だし、口に入れるものが体を作ってるからこそ、そういう農家さんが作る野菜を食べて体づくりしていきたいなと思いますね。
今村編集長:ありがとうございます。ただ、決して慣行でやっている農家さんを否定しているわけでもなく、私が目指している農薬を減らす農業ということが絶対いいと言いたいわけではなくて。個人の価値観だけれども「いい野菜」というものを言葉にできていますかと、言語化して農業ができていますかということを言いたいです。そしてそれを逆に消費者側もそれを理解するというプロセスは必要なんじゃないかなと思ってます。買う時に自分の中で「いい野菜」って何だろう?ということを頭に入れつつ野菜を手に取ることも大事なマインドだなって思います。スーパーなんかでも産地直送や顔写真があったりして安心安全を謳ってたりするんですが、顔は見えるけどその農家さんたちはどんな想いで野菜を作っているのかということは野菜を買う瞬間ってあまり感じ取れないと思うんですよ。なので作る側も売る側も買う側もしっかりと責任持つと日々食べる野菜に、よりいい価値がつくんではないかなと思います。
井上:作る側もそうですけど野菜を手に取る側もしっかりと情報を自分自身で取り入れて野菜を買うということも確かに大切ですね。今回は農を営む側でのマインドも非常に学びになりましたし、野菜を手に取る側のマインドでも非常に勉強になりました。明日からスーパーに並んでいる野菜を見る目が変わりそうです!ありがとうございました。