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感情のバグ、破棄留め

私は歌を創っていて歌詞が書ける。
文章として表現できる才能を腐らせてたまるかと思い立ってはじめてみます。

忙しない感情についていくのが必死な脳だけど日々を形作りたい。
不格好でもいい、完璧でなくてもいい。
これは感情のバグ、バグ、バグ…なのです。


2023年8月
私が大好きな夏、急に訳も分からず悲しくなる日が日常にふっと出て影に覆われた。何が悲しいのかも分からない。ただただ『哀』が残った。

もしかして?と病名を検索して確かめてみたけど当て嵌まる項目が増えるにつれ不安が増していくのが分かった。あ、埋もれちゃいそう。

当時は深夜に近くの大きな公園のあみあみ遊具の上、寝転びながら黒い空をひたすら眺めていた。なとりの「エウレカ」を一生リピートしていた。
却って辛さが倍増していた気がするけどなんかずっと聴いていた。

向こう側 その、また向こう側
いつのまにか、壊れてしまった
「どうしたって、さよなら」
君は僕を待って、忘れていくこと
悲しみをまとわって、心を擦り減らすばかり
誰ひとり、この街で
君のことを憶えていなくとも

エウレカ/なとり

徐々に私は崩れていった。
外に出て人とすれ違うことが怖くなったし、電車に乗ると気持ち悪くなるし
毎日のように涙を溢していた。
信じていた人に理解してもらえない日々を過ごして限界もきた。

この世からいなくなりたかった。
泣き叫んで、
泣き叫んで、
刃を自分に向けた。

楽になりたかった。


止められたけど。

日々の体調の記録として綴っていた言葉は無意識に遺書へと化した。

2023年 12月
夏の苦しみが嘘のように消えていった。
「治ったんだ!」

この間ずっと続けていた接客業を辞めて、転職活動は辛かったけど恵まれた職場に就けた。ただ全身に蕁麻疹がでたり、微熱がずっと続いたりしたけど大丈夫だと思っていた。

だってもう悲しくならないし、泣かなくなったし、平気だよ。
大丈夫、大丈夫だよ。
頑張らなきゃね、
がんばって普通にならなきゃ。

2024年1月
同じような影が忍び寄ってきた。
新しい仕事を始めて数日、帰り道に空を見て涙が降ってきた。

また、人が怖い。
電車に乗ると息がしづらい。
消えたい、
消えたい、
不安が募った。小さな種がどんどん膨れ上がるのが分かった。

辛い、悲しい、不安、どうしたらいいのか分からない。
怖い、
怖い…


2024年2月ー3月
苦しみは日々成長していった。
恐ろしいほど速いスピードで。

去年より悪化していた。
意を決して頭治し屋さんにも行ってみたけど思った答えは得られなかった。
処方された薬は不味過ぎて飲めなかった。

理解ない言葉を浴びせられる事も増え、もうおしまいだった。
親や友達には正常な文を送って、なんとか私を保っていたけどおしまいだった。

「頑張らなきゃ駄目だよ」
「死にたいとかいう人無理だよ」
「メンヘラなの?」

食べ物に味がしなくなって、
食べることができなくなって、
ベットから起き上がれなくて、

”日光を浴びよう!散歩をしてみよう!”
って言われても心も体も動かないし。
サウナに行ってデトックスしてきたら?って。
そんなことで毒が抜けるわけない。

大好きな音楽も聴きたくない。
曲を造ることもできない。
にこちゃんスマイルを顔に貼り付けることもできない。

でも頑張らなきゃ頑張って普通のフリをしなきゃ。
泣くのを我慢しなきゃ。
大丈夫、
大丈夫…

このままだと私が消えてしまうと察知した親が救い出してくれて東京から去った。
温かいご飯を用意してくれて何時間も話を聞いてくれて。

「今1番どうしたい?」

「普通になりたい、普通に生きたい、普通に働いて普通にご飯を食べて。
普通になりたい。」

泣きながら叫んだのを覚えている。
幼い頃から周りと違うモノを持ったり興味でるのも変わったものだったり夢だって辿った道だって普通ではない私が普通になりたいと強く思ったのはこの時が初めてかもしれない。

涙でぐちゃぐちゃの視界から両親の辛そうな顔が見えた。
死にたくて死のうとしたと言ったら泣かれてしまった。
泣きたいのは私の方なのにとも思った。
「生きていて良かった」と言われても響かなかった。

心の根っこが腐ってしまって水が入る隙間もなく
枯れて枯れて枯れ落ちた。

何も芽生えない。


4月、5月と始まりの季節に私は何もはじめられなかった。咲けなかった。
外は穏やかな気候になってきたけど私の心は潤わなくて。
空っぽだった。
空っぽの水槽に水が溜まっていく。
溢れてしまっても蓋ができない。
栓も抜けない。

何もしない日が過ぎて夏がきた。
発症してから1年が経った。
朝起きて布団の中でいなくなりたいと踠き苦しんだ日々も減っていった。
友達と会うこともできたり、ご飯も食べれるようになってきた。
聴けなくなった音楽も少しずつ聞けるようになった。

その間、私がリリースしている「崩壊」が少しだけバズって沢山コメントがついた。
本当に希望だった。何度も繰り返し読んだ。ありがとう。

創って良かった。
みんなに救われた。

わたし、音楽で人を救うことが夢だった。
歌で、声で、一人でも多くの人を虜にして救いたかった。

そこから音楽が活かせて人に会わなくて済むような仕事を探した。
なにかしなくてはと焦っていた。
その時にライブ配信の仕事を見つけて、恐る恐るはじめてみた。
顔も出してないしキャッチコピーは"突如として現れた正体不明のssw"だし。

私の性に合わないのではないか?
クールキャラのまま上手くいくか?
結構沢山悩んだ。
柄にもなく自信がなくて
事務所の人に「私はできると思いますか?」って委ねてしまった。
(励ましてくれた…)

決まった時間にテスト配信からはじめて
最初はステージに立つ私のように歌だけで魅了するんだ!と尖り散らかした心で挑んで結構プレッシャーだった。
カバーもあまりしたことなかったし、エレキギターで生きてきたからアコギは弾いてこなかった。持ってなかったし。

ギターと歌を練習しては配信してと結構大変だった。

けど少しずつ見てくれる人が増えて
毎日のように聴きに来てくれる人ができて
コメントをくれるみんなと喋ることで心が軽くなった。
顔も見えない知らない画面越しの人間なのに
わたしのことを救ってくれた。
「救われてます」のコメントを何回も貰って本当に泣いた。
よかった、あなたのことを救えて。


そして私は喋りが達者な3歳児だから喋っていた方が可愛い。
可愛い、キュート、美しい、麗しいのです。

そう、私はお嬢様なので。

I’m a princess˚✧なのですわ!



2025年1月
これを経験して言葉で人って殺せるし救えるし、紙一重で凄く酷だなと思った。
到底醜い言葉の呪いは付き纏うし、ふと思い出した時に涙が溢れるし。
軽い気持ちで言葉の綾だとか言って殺さないでほしい。

頑張らなくちゃじゃない。頑張れない時は頑張らなくていいの。
みんなみんな強く無い。強くないから悪い訳じゃない。

そうは思っても、大丈夫だよと言う事が癖づいてしまった。
悪い部分が呪いとして肥っていった。
時間はかかると思うけど萎んでいってくれたらいいな。


今の在り方
私の苦しみと悲しみはまだ消えない。
今でも定期的に脳がバグる。
このバグを上手く手懐けていけたら良いのだけど今はまだ懐かないみたい。

でも誰かを救いたいから、
あなたの棘を抜きたいから、
厄介な脳みそと共に日々を生きていけたらいいなと思う。
多分また消えてしまいたい日が訪れるのだろうけど
そんな時はみんなの言葉に救ってもらうことにするよ。


希望と哀しみを背負って。

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