脳の解剖学的位置 #1-1
脳神経系の区分
脳神経系は、脳と脊髄からなる中枢神経系と、そこから出る脳神経と脊髄神経からなる末梢神経系で構成されます。
皮膚や顔などにある他の感覚器で受けた情報は、求心性の末梢神経を介して中枢神経系に入力されて、その情報を処理統合されます。その後、処理統合された情報をもとに、中枢神経系から実行する指令を出力し、末梢神経を介して筋肉などの効果器を作動させます。
脳の解剖学的位置
中枢神経系は、①大脳、②小脳、③脳幹(中脳、橋、延髄)、④間脳(視床、視床下部)、⑤大脳基底核(尾状核、被殻、淡蒼球)、⑥脊髄からなります。①大脳、②小脳、③脳幹、④間脳、⑤大脳基底核は頭蓋骨の中に、脊髄は脊椎の中の空間に位置します。
大脳や小脳、脳幹は頭蓋骨の中に位置し、大脳などが入っている空間を頭蓋腔と言います。
背骨のことを脊柱と言い、脊柱は32から34個の椎骨から形成されています。椎骨は椎体と椎弓から構成されており、椎体と椎弓によって椎孔という穴が形成されています。椎孔が上下に連続したものが脊柱管と言い、この中を脊髄が縦に走っています。
脳と脊髄の構造(中枢神経系)
大脳は、頭蓋腔の大半を占め、人の知的活動を行う中枢です。大脳の深部に間脳と大脳基底核があります。大脳の下には脳幹があり、大脳の下/脳幹の後ろに小脳があります。
脊髄は、大後頭孔部で脳の下端にある脳幹(延髄)に続いています。
脳神経と脊髄神経(末梢神経)
末梢神経は、中枢神経からの指令を身体の各部位に伝達し、末梢受容器からの情報を中枢神経に送る役割があります。
脳神経は、大脳や脳幹から出る12対の末梢神経であり、ⅠからⅫまでの番号が振られています。各神経には様々な機能があります。
脊髄から神経根と呼ばれる神経線維が出ており、前から出る神経根を前根と言い、後ろから出る神経根を後根と言います。前根は脊髄神経から出る運動線維で、後根は脊髄に入る感覚神経です。脊髄から出た神経根は、椎骨の隙間の椎間孔から身体の各部位に伸びていきます。
頚髄神経8対、胸髄神経12対、腰髄神経5対、尾髄神経1対の合計31対の脊髄神経があります。