脳動脈 #2-9 椎骨動脈と脳底動脈
椎骨・脳底動脈の解剖
左右の椎骨動脈(vertebral artery:VA)は、鎖骨下動脈から分岐して、大後頭孔を通って頭蓋内に入り、橋延髄移行部付近の高さで合流して1本の脳底動脈(basilar artery:BA)となります。椎骨動脈、脳底動脈からは、脳幹、小脳を栄養する3対の血管が分岐します。3対の血管は、後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery:PICA)、前下小脳動脈(anterior inferior cerebellar artery:AICA)、上小脳動脈(superior cerebellar artery:SCA)です。
椎骨動脈
椎骨動脈は、内頚動脈とともに心臓から脳に血液を送る動脈の1つで、左右に2本存在し、ウイリス動脈輪後半部の血流を担います。それぞれ左右の鎖骨下動脈から枝分かれした後、第6頚椎から第1頚椎の横突孔を貫通して上行し、大後頭孔から頭蓋内に流入します。頭蓋内に入った椎骨動脈からは後下小脳動脈が枝分かれします。後下小脳動脈以外にも脊髄に向かって分布する前脊髄動脈(anterior spinal artery:ASA)があります。左右の椎骨動脈は、延髄と橋の高さでが合流して1本の脳底動脈になります。
脳底動脈
脳底動脈は、左右の椎骨動脈が合流して1本の脳底動脈となり、橋前面に沿って脳槽内を上行します。脳底動脈から分岐する穿通枝は、中脳・大脳脚・橋・小脳を栄養します。小脳を栄養する3種類の穿通枝動脈のうち、上小脳動脈と前下小脳動脈が脳底動脈から分岐します。脳底動脈は左右1対の後大脳動脈となります。
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