脳血管 #2-3 Willis動脈輪
Willis動脈輪の解剖
Willis動脈輪は脳底部にある脳血管で構成される輪のような構造です。1本の前交通動脈と左右一対の後交通動脈によって、左右の内頚動脈系と椎骨脳底動脈系の3つの動脈が吻合することで構成されています。前交通動脈は左右の前大脳動脈を、後交通動脈は内頚動脈と後大脳動脈を結んでいます。Willis動脈輪の構成は図のようになります。
左右の内頚動脈や椎骨脳底動脈系のどれかが閉塞した場合、Willis動脈輪が側副血行路として機能し、閉塞した動脈の分枝動脈へと血流を送り、脳組織が虚血になるの防ぐ機能があります。中大脳動脈はWillis動脈輪に含まれていません、中大脳動脈はWillis動脈輪より末梢にあるので、中大脳動脈が閉塞した場合Willis動脈輪は側副血行路となることができません.そのため広範囲の梗塞を起こすことが多くなります。
脳動脈瘤の好発部位
脳動脈瘤の大部分が、Willis動脈輪を構成する血管に発生します。機能上は側副血行路としての役割がありますが、構造上は急角度の分岐があるなど血流が血管壁に当たりやすくなります。動脈の分岐部は血流が物理的に血管壁にあたる部分であるため内頸動脈-後交通動脈瘤、前交通動脈瘤、中大脳動脈瘤などができやすくなります。
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