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【マダミス制作日誌 vol.28】地方周遊体験型イベントについて考える

▶今回の文章の主旨

今回の内容で私が主張したいことは、

  • リアルなエリアを周遊する体験型イベントで起こり得る問題とは何か?

  • テーブル上で行われるマダミスや謎解きとの差異を知りたい

  • それによって、同じようなイベントで業界が気を付けるべきことが共有され、全体がレベルアップするはず……!

ということです。
なので、全く後方腕組彼氏面でドヤ擁護したいわけではなく、ただ業界の発展のためにはこうした問題点や課題を抽出し、そしてそれに対してどう対処するのかしたのか?それによってユーザーの感想はどうだったのか?を検証することが重要だと考えています。なので今回、言及することにしました。

▶何も起こらない農村の悲哀

どうも。悪い話が出てきたときだけうれしそうに出てくる男です。
マダミス界隈では、ネガティブな話はよく挙がってきていると思いますが、決して私は悪い話の時だけ出てくるわけではありません(キッパリ)。

……田舎では、そもそもいい話なんて出て来ないのだ……。

オフラインマダミスが開催されることだって月に一回あればいい方。そんな状況を変えるため、チマチマと布教をしているわけなのだが、そのような環境では、なるべく問題があればそれを解決したい。そうすることによって、マダミス人口を増やせると思っているのである。

なのでそう思って一言言おうとすると、結果的に友達を無くす結果に繋がるんだな……というのが今の状況なんだと思う。多分。

▶とある地方周遊型体験イベントの感想にて

先週末に行われた、京都でのとある体験型イベントの感想にて、なかなか興味深い報告の数々が行われていた。
その内容があまりにも過激だったため、界隈をザワつかせたのであった。

もちろん私はそのイベントに参加したわけではないし、内容も良く知らない外部の人間なのだが、参加者の方々のレポートを読んでいると、非常に興味深かった。
特に、酷評している方の内容は、このような体験型イベントにおいて『何が起こるとあれほどまでユーザーに怒りが生まれるのか?』という点で、ものすごく参考になったのだ。

▶逆に参加してみたくなった感想

気になる方は、『#終末GO』で検索してみて欲しい。さすがに可哀想なので、ここでリンクを貼るのは遠慮しておくことにする。
だが、先にそれらの感想を読んで思った感想を語っておくと、「なんだかあまりに凄すぎて、逆に参加してみたかった」という気分になったのだ。

これは自分でもとても面白く感じた。
……人というのは、同じ仲間で共有した愚痴を語り合う時に、あれほどまでに連帯感が強まるのか!と思ったし、逆にそこまで強い感情を得られることができたのであれば、絶対記憶に残るイベントになったはずだ。

コスパやら何やら色々ひっくるめても、今は後悔しているのかもしれないが、人生で後々振り返ってみると「いや~、あの時参加したクソゲー、ホントつまんなかったよな!」という思い出が語られるのではないだろうか?
クソゲー故の連帯感……。
正直、日々何も起こらない田舎住みからしてみると、ちょっと羨ましくなったのである。

これは自分でも驚いた感覚だったし、ある意味、無難で特に何も残らないイベントよりかはマシだったと言えるのかもしれない。

▶問題点と改善点について考えてみよう

一方で、イベントの構造ならではの問題点が噴出しているのも強く感じたので、かつてイベント関係に携わっていた人間として、あくまで外野からの意見でしかないが、勝手な予想と言い分を書いてみることにしよう。

ちなみに、私が住んでいるオホーツク地方では、ここ数年、毎年GW恒例の【玉座の闇シリーズ】という人気体験型LARPコンテンツがあり、今年はついに34人規模での半日イベントが24時間で売り切れるという現象が起きた。

リピーターも数多く、参加した多くの人が満足しているという結果がここに現れていると思う。……こうしたイベントと今回のイベントは、一体何が違ったのだろうか?

玉座の闇6北見

というわけで、これらの項目について考えてみたい。

  1. 参加人数

  2. コスト

  3. 周遊型というUX

  4. アフターフォロー

①多人数型イベントについて

正直、マダミスはスケールさせるのがとても難しい事業だと思う。その理由についてここで細かく語るのは控えるが、そのため黒字化させるハードルは高いのではないかと考えている。
それを解決する方法としていくつかのパターンが考えられるが、例えば、『付加価値つけて高額化』『回転率を上げる』『店舗の稼働率を上げる』そして『シナリオの多人数化』だ。

単純に、同じ金額で体験できるのだとしたら、二人用シナリオよりも、十人用シナリオの方が売り上げは高くなるし、同じ面積を多人数で使えるのだから、稼働率が上がっていることにもなる。
よって、上記の玉座の闇のように多人数になっていくことは理解できるし、うまく回すことができるのであれば、多人数で行う体験型イベントというのは、単純に面白い。

しかしそれは当然、運営の難しさが飛躍的に上昇することにも繋がるはずだ。その結果、例えば今回のように「待ち時間」が増えることになり、ユーザーからの不満が上昇した。そのような状況もあったようだ。

②参加費について

宿泊型で参加費が高額だったから?……確かに、それはあるだろう。だが、個人的には本質はそこではないと思っている。
先日UZUで炎上した某シナリオ(あれから非公開となってしまったようだ……)のように、たとえ無料だったとしても、ユーザー体験がとても悪かったとしたら炎上は起こっただろう。

多分、これが格安イベントだったとしても、少なからず同様の文句は出たはずだ。それが高額だったために、投入されるガソリンの量が多くなっただけ、と私は考えている。

③周遊型というUX

今回、私が一番興味を持っており、何らかのレポートが公開されるのであれば見てみたいと思うのがここだ。

自分の体験では、基本的に室内マダミスや上記の玉座の闇ぐらいしか家の外でのこうしたイベント体験が無く、唯一一回だけ映画村での謎解きに参加したことがあるぐらいだ。

なので、リアルなイベントを開催する際には「どんな準備をして」、「何に注意をして」、「実際に何が起こり」、「その時に何をすれば良かったのか?」というのがとても重要な要素になる。ここがものすごく知りたい。

今年から、地元の実際の宿泊施設と連携して、お泊まり旅行型マダミスを企画しているので、そのためにノウハウを溜めたいと切実に思っている。

④アフターフォロー

今回、酷評されてしまったイベントだが、もし自分が運営側だったら、まだ何か取り戻せる余地があるのではないかと思っている。
……というか、業界自体そんなまだまだ未発達の分野なのだ。

失敗は潔く認めて、それを今後改善していきますすみません!!!ぐらいの対応をして、次回の割引券とかを配るなどしてうまいアフターフォローをした方が良いのでは?と考えたりもしている。まあ完全に他人事だから言えることだが……。

ともかく、「なんかイヤな感じの出来事が起こっちゃったねぇやだやだ……」で終わらせないような、前向きな結果になっていくと良いなと思っている。
長くなったので、個別の改善提起については改めて考えてみることにしよう。

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