見出し画像

マダミス制作日誌 vol.6

▶その後の微調整

大枠が決まったら、細かい微調整に入っていく。
情報量はその数と共に、重要度を分けておく。重要度が低いものは抽象性が高く、より犯人が絞り込めるものは具体性を高くして重要度も高くする。

そして重要度が高いものは基本的に後半に登場させる予定を組む。物語展開の基本としては、序盤に抽象度が高い手掛かりを提示し、後半に驚きの事実!……みたいな展開になるだろうか。

大雑把にエンディングが何パターンぐらいになるかも考えておく。ベストなエンドとベターなエンド、バッドエンドがどれくらいの割合で到達するかを設定し、そこに向けた情報量を用意することになる。

▶HO情報と手掛かり情報

情報の提示方法は、大きく分けて二つになるはずだ。
キャラクターのハンドアウトに書かれた情報と、手に入れる手掛かりに書いてある情報。ここでは例外は置いておく。
この二つの違いについて、きちんと理解しておく必要があるだろう。

まず、キャラクターHOに書かれている情報の特徴は、
①その人にしか見られない(譲渡・公開ができない)
②文章量が多いと、一部だけを探すのが難しくなる

一方で、手掛かり情報は、
①情報の移動が可能
②取り回しがしやすい
③誰にでも手に入る

辺りだろうか。つまり、HO情報に比べて手掛かり情報は、情報の伝達力が高いのだ。そして、ランダム性を持つ。
体感からでは、より些細な情報の場合、HO情報では見逃されることが多い。

なので、より情報量を少なくしようと思うのであれば、HO情報に記載し、より多くしようと思うのであれば、手掛かり情報にする。
そこから狭めようとするのであれば、条件付き手掛かりとするか、全体公開不可とするか、逆に場に戻す設定にするか、これらを組み合わせて情報量を調整する。

もちろん、情報量の調整だけでなく、手掛かりによって物語的な意味を持たせるのであれば、それに沿った入手方法にするというパターンもある。そうすると、よりストーリー性が高い手掛かりとなるだろう。

▶テストプレイのタイミング

これらの要素を埋めていき、大雑把に骨子が組み上がった状態をプロットとして完成させ、その後、ゴリゴリと事件時の行動や背景HOなどを書きまくって埋めていく。

プロットがしっかり作られていれば、文章を埋めていくのはそう難しいことではないが、物書きに慣れている人でなければなかなか大変だろう。
私の場合は、(こうした文章を見てもらえば分かる通り)この辺りは全く苦ではないのが、制作に対するハードルが低い理由だろう。

文章が大体書き終わり、シナリオ設計図やプロットと比較して、特に齟齬がないことを確認したら、いよいよ次はテストプレイだ。
必要な画像は最低限用意する必要があるが、最近では様々なツールが使えるので、絵が描けない人でも問題ない。実に素晴らしい時代になったものだ。

どの程度の完成度でテストプレイをするか?だが、制作初心者の場合、整合性さえ破綻していなければ、6割程度で行ってしまっても良いかと思う。
というのも、間違いなく最初の頃は大幅な調整が必要となるからだ。

なので、最初のテストプレイは必ず制作関係に近い人と行おう。アドバイスをもらう観点からもその方が良い。
ついでに言うと、間違いなく修正が必要となるので、最初から大規模なシナリオなど作らず、小規模でコンパクトな作品から作った方が良い。

大事なのは、『駄作を創る勇気』だと言っておこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?