脳に何かがあったとき

NPO法人Reジョブ大阪です。毎月、失語症・高次脳機能障害の方の「就労」をテーマにした当事者インタビュー冊子を作成しています。生活に戻ったあと、どのような課題があって、どんな工夫で乗り越えてきたのか、生きる知恵が満載の記事です。 より多くの人に読んで頂きたく、開設しました!

脳に何かがあったとき

NPO法人Reジョブ大阪です。毎月、失語症・高次脳機能障害の方の「就労」をテーマにした当事者インタビュー冊子を作成しています。生活に戻ったあと、どのような課題があって、どんな工夫で乗り越えてきたのか、生きる知恵が満載の記事です。 より多くの人に読んで頂きたく、開設しました!

最近の記事

前を向いて生きる、何を大切に生きるか新たな宿題をもらいました

高次脳機能障害により、仕事場での会話や作業の遂行が困難になったKさん。家族の会話に付いていけず、職場でも作業を最後までできなくなり、落ち込んでいました。家族はうつ状態と受け止めており、Kさん自身も、自分の状態がわからずに途方に暮れていました。しかし、やがて高次脳機能障害と診断され、インターネットで同じ症状の人の体験を取りつかれたように探しはじめます。  元従業員の自宅の片付けを手伝う中で、動きや言葉が次第に戻ってきたことで、回復への希望が見え始めたのです。作業を通じて脳のリ

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    • 現場で役に立っていない、ポンコツになってしまった自分にいら立つ

       数年前から、一過性の意識消失などがあり、病名も分からず放置していたそうです。両親が脳卒中で亡くなっていたのに、その時は自分にもリスクがあるとは予測もしませんでした。  そしてお正月あけに、倒れました。数日前から頭痛があり、搬送先の病院で、医師からは出血から4日が経過していた可能性があると説明を受けます。手術の全身麻酔の影響もあり、せん妄状態が続き、様々な妄想が生じていました。  トイレの失敗に恥を感じ、リハビリにも消極的でした。退院後は後遺症についての十分な説明はなく、運動

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      • 入院生活が苦痛、逃げるように退院した

        植木屋と大工の仕事を掛け持ちしながら、実家の工務店の閉鎖作業もしていたKさんは、深夜まで仕事が続く毎日だったそうです。そうした日々の中、元々農機具小屋だったところを、自らデザインを練り改修して、夢のアトリエを作りあげました。2級建築士の資格を生かし、一から考えて、家を建てるのが面白かったそうです。  完成後もいろいろ手を加え、妻が花の教室やイベントをする場所として計画していましたが、コロナ禍で立ち往生していました。仕事が好きで夢中になり過ぎた毎日だったようで、時々あった一過性

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        • 第1回 なんでこんなことになったのか、過去を振り返ってばかりだった。

            腕の良い職人さんとして多忙な日々を送る中で、病に倒れたKさん。退院後、言葉が出ない、これまで通りに動けないなど高次脳機能障害に苦しみ、仕事にも支障が出ました。どんどんふさぎ込みがちになり、家族からは、うつ病かと思われていました。  ある日でかえた当事者会で、同じ障害がある人の話を聞き、「しんどいことを前提に、できることをする」と腹をくくりました。回復には段階があり、適切な情報が欲しいと感じています。今は楽しみを見つけたいと、設計した愛着のあるアトリエを活かすことを検討し

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          ニコニコ明るい笑顔と彼女の想い ~10代で発症したあみちゃん(仮名)最終話

           いろいろ苦労はあったものの、晴れて看護師となったあみちゃん。今は、緊張しながら業務をこなしています。見た目ではまったくわからないほどに、失語症は回復したものの、仕事に苦労はつきもの。そして周りに病気をした人がいない中、お友達との交友、恋愛にも影響が出てきます。「この溝は一生うまらないんだろうな」と、ぽつりとつぶやくあみちゃん。そんな彼女は、今、同じ障害がある若い人達に、何か役に立てることはないだろうかと考えている。「気持ち、わかるし・・(笑)」と、最後に少し照れたような笑

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          ニコニコ明るい笑顔と彼女の想い ~10代で発症したあみちゃん(仮名)最終話

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          ニコニコ明るい笑顔と彼女の想い ~10代で発症したあみちゃん(仮名)Ⅱ

           もともと頭痛があったあみちゃん、発症した日はロキソニンを飲んでも少しも良くならない。そこで脳神経外科病院を受診したところ、脳出血と診断され、そのまま入院手続きを。その後、だんだん意識が遠のき、記憶もあいまいになっていきます。目が覚めたら、右半身に軽い麻痺と、失語症ということばの障害が残っていました。自分の状態がよくわかっていなかったあみちゃんは、入院中、いつもニコニコ笑顔、同じ病室のおばあちゃん達からも可愛がってもらう日々。しかし、現実は甘くなく、授業についていけないため

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          ニコニコ明るい笑顔と彼女の想い ~10代で発症したあみちゃん(仮名)Ⅱ

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          ニコニコ明るい笑顔と彼女の想い~10代で発症したあみちゃん(仮名)~

           脳卒中と聞くと、高齢者、若くても50代以降の病気だと思っていませんか?確かに入院患者さんは、圧倒的に高齢者が多いですが、10代でも発症する人はいます。AVM(脳動静脈奇形)という血管の奇形だったり、心臓の病気があったり、生まれつきの病気が原因の人もいれば、検査をしても原因がはっきりわからない人もいます。若いから回復が早いとは必ずしも言えず、治療が難渋する人もいます。後遺症が残る人もいます。  今回は、10代で脳出血を発症したあみちゃんです。彼女は、入院中、いつもニコニコと

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          治るのでしょうか?

          さて、ご自分が、または家族が、脳卒中で倒れた、頭にけがをして、後遺症が残った。その時、みなさんが聞きたいのはこれですよね いつか治るのだろうか? 残念ながら、CTやMRIで、画像が元通りになることはありません。むしろ、ケガをしたときには、画像で損傷部位を発見できなくて、数年後にわかる事例もあります。身体も言葉も、全く元通りは、非常に稀と言われています。 では、元の生活はできないのか? これは必ずしもYESではありません。もちろん後遺症が軽くなくて、元の生活が難しい人も

          治るのでしょうか?

          世にも珍しい失語・高次脳機能障害症の方のインタビュー冊子

          みなさん、こんにちは!NPO法人Reジョブ大阪、代表の多田紀子です。 始めましての方もいらっしゃいますので、自己紹介を簡単に♪ 私は言語聴覚士という、医療業界ではニッチな資格をもっています。言語聴覚士の仕事は、ことばと嚥下(飲み込み)にわかれています。ことばでいえば、生まれつき(脳性麻痺や発達障害など)の方、人生の途中(脳卒中など)の方、また認知症の方など様々です。あと、聴覚とあるように、難聴の方も対象になります。今、多くの言語聴覚士の方は、嚥下がメインのお仕事をされていて

          世にも珍しい失語・高次脳機能障害症の方のインタビュー冊子