エロスをマジメに考える
同年代の女性と「下ネタ大好き」みたいな話になったのですが、私も人の下ネタを聞くのは好きです。
こう言うと、セクシャルハラスメントの許可を得たと勘違いして嫌がらせ行為を平然と行うおじさんがいるので、公言はしません。
私が聞くのが好きなのは、人の性癖です。
性癖と言うのは、人間が本質的に求めてやまない、どうしようもない根源欲求です。
生育歴などによる多少の因果関係は感じられるものの、自分一人では到底理解できない「そこにそんな魅力感じる!?」みたいな話は、めちゃくちゃ面白いです。
「それがいかに魅力的か」を共感してもらうために語る人は、全て芸術家です。
逆説的に、芸術家は、「それがいかに魅力的か」を全身全霊で語る変態集団ってわけです。
芸術家仲間で人の性癖についてアレコレ自説の解釈を並べることも結構あります。
老若男女様々な経験値の人が入り乱れて、マジメな顔して「陰茎」とか「勃起」とか「射精」とか「オルガスム」とか語ってる場所ってのも、中々シュールでめちゃくちゃ面白いです。
繰り返し念を押しておきますが、若い女性を辱めたり、嫌な思いをさせたいがために下ネタ語るおじさんは、一日も早く自らの加害行為に気が付いて、TPOに合わせた立ち居振る舞いができるように是正願いたい。
エロスとはそもそも何か
エロスというのは元々哲学用語で、神様から人民に与えられる無償の愛であるアガペーの対義語として生まれたわけ(人民から神様に注ぐ憧れの気持ち)ですが、転じて、自分は持っていないと感じる相手の要素を魅力的に思う気持ちをエロスと呼びます。
なので分かりやすく男女の体つきの違いについて魅力的に思う生物が多いわけですが、そこをより深く掘り下げて語れるのが人間の知性であって、例えば「女性らしいくびれ」であったり「男性らしい腕の血管」だったりするわけです。
例えばこれを大きな括りで「人間」として捉えるタイプだと、ズーフィリアやピグマリオニズムなどに代表されるように、人間外のものを魅力的に思うのかもしれないと思ったのですが、学術的にどうですか?
想像し得る範囲で、「自分にない要素を遺伝子情報に組み込む」のが生物の生存戦略として有効な訳で、そこにエロスを感じるのは生物的構造として正しいとも言えます。満たされるか満たされないかは別として。
いやホント、異常性癖の一覧を見ていると、人間ていうのは、ありとあらゆるものに快楽を覚える種族なんだなということが改めて分かります。
まあこれらを「異常」ってされると、「通常」って何なんだ?ってなってしまうので、これらはただの「好み」(嗜好)だと私は解釈していますし、そうすべきだと思います。
その対象が異性か同性か、はたまた両性か無性なのかは「どっち方面に向かってるか」という「指向」であって、また違う括りになります。
エロスは最終的に自分へ向く
エロスがエス(イド)から来る自我、または超自我の欲動である限り、それを適応させるためな様々な防衛機制な働くわけで、これをどれだけうまく機能させられるかどうかが「人間的成熟」なのではないかと仮定します。
分かりやすく言うと「若い女の子にセクハラしたかったからした」と言うおっさんは、「スカートめくりたかったからめくった」と言う幼児と同じ成熟度ですし、「自分にないものを持つ他者は素晴らしい」と感謝・尊敬の規制を働かせられる人は、人間的に成熟しているということです。
この「欲求が抑圧される」という状態は、人間を内面の見直しへと導き、創意工夫といった行動へと導きます。
よって「抑圧されることなく何もかも欲求が叶う状態」というのは、人間的成長を促さないわけです。
こうしたことから、強い欲動を持っている人は、芸術活動を始め、芸能活動や、社会的支配層・成功者に多く見られる特徴となっていくものと推察されます。
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