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一夫多妻制は本当に少子化を救うのか?

加速度的に出生率が低下し、家庭という最小単位の社会の維持が困難になっている時点で、一夫一妻制の結婚制度は崩壊していると言えると思うのですが、

じゃあ一夫一妻制を廃止すれば良いのかと言うと、そういうことでもないのではないかという考察です。

なぜ結婚する人は増えないのか

そもそも一夫一妻制を維持するのに不可欠な要素は、同調圧力なんじゃないかと言ってしまいます。

社会的に「結婚は万人がすべきもの」という考えが蔓延していたということです。

そのため、

・結婚しなければ社会的評価を得られない(生涯賃金の現象)
・子供がいないと老後の生活が破綻する(介護制度の不足)

などの理由で、団塊ジュニア世代までは日本人口の7割が結婚制度を利用し、平均2〜3人の出生率を保っていたと考えられます。

これが個人の権利が尊重されるようになった自由化に伴い、

・結婚しなくても生涯賃金に影響を及ぼさない
・社会福祉の充実により多様な介護サービスを受けられるようになった

などの理由から、まず「結婚するメリット」が減りました。

加えて、子育てをすることにより、

・生涯支出が増加する(高額な高等教育費)
・時間的損失が増える(障害賃金が減る)

というデメリットが大きすぎるわけです。

この大きすぎるデメリットを抱えても結婚したい人は、

「親になることで人間的な成長を得られる」

と考えているドマゾか、

「対象の異性から離れた時間を過ごしていられない」

という精神的依存形人間か、

「結婚すれば労働しなくて済む」(家事労働を含む)

と考えている、時代錯誤なドアホ

くらいじゃないでしょうか…

ちなみに経済的依存形のドアホは、そもそも結婚もできずに、年金破綻している親の脛をかじるパラサイト化しながら、結婚相談所や美容業界、風俗業界の養分となるのが常ではないでしょうか。

自分で何かを成し遂げることで得られる自己肯定感も低いので、ソシャゲの廃課金ユーザーになっているのもこのタイプが多いと推測します。

というか、同年代にそういうヤツいるわ。

人の労力を奪おうとする人は、自分自身が奪われるというのは原理原則ですね!

なので、実質結婚している人は、精神的依存形人間か、人間的な成長を求めるストイックマゾくらいじゃないでしょうか。

もしくは経済的デメリットをものともしないレベルで稼いでいるかです。

もちろん、結婚した時期や地域によっては、同調圧力が色濃く残っていますので、一概に上記の理由があてはまるわけではありません。

単にデメリットだらけなのに、親世代からの同調圧力に負けたという人も多いと思います。

一夫多妻制は本当に少子化を救うのか?

前置きが長くなってしまいました。

前述の一夫一妻制におけるデメリットを解消するために、「一夫多妻制にすればええやん?」って言ってる人をちらほらお見かけするのですが、

それって本当に少子化解消されるんでしょうか…

確かに、資本家(資本を持っている人の意)が資本の限り妻を娶り、資本の限り子供を持ったら、資本家一人あたりの出生率が増えますから、人口増に繋がるような気がしますねぇ…

また、「妻」というコミュニティみんなで子育てすることで、一人あたりの時間的拘束が少なくなるというのも頷けます。

ですが、そもそもですよ。

そもそも、男の人ってそんなにたくさん子供の面倒を見たいと思うか…?

だって、産めば産むだけ自分の資本が減ることには変わらないんですよ?

そんな贅沢品、いくつも欲しいと思うか…?

厚生労働省からデータ持ってきました。

少し古いデータであり、男女も年齢もごっちゃになっていますが、

言うて人口の95%が年収1,500万円以下でしょ…???

子供2人育てるのに年収800万円が必要だとも言われていますが、

20〜30代の女性の平均年収が大体300万円で、例えば5馬力で働いたとして1,500万円。

男性が1,500万円の年収だとしても、3,000万円で子供15人とか養えますかね…

生まれたら生まれただけ、両親が自由に使える資産も減りますが、先に生まれた子の資産の取り分も減ります。

例えば子供が生まれたら生まれただけ、みんなで毎月海外旅行に行っていたのが、年に一度の国内旅行になるかもしれない。

ファーストクラスが使えていたのが、ビジネスになって、エコノミーになって。

そういう機会損失的な考え方を、そもそも金持ちって好まないんじゃないか…?

なんとなく、一夫多妻制が少子化を救う論を主張している方々って、せいぜい1,000〜1,500万円クラス程度の男性が「2〜3人くらいを同時期に囲うことを法律的にも道徳的にも許されたい」って思って書いているようなスケベ心が垣間見えて非常に気持ちが悪い。

年収億単位の限られた方々は、そもそも法律とか関係なく、お妾さんとか自由に持ってるだろ、もう。

そう考えると、やはり持っている人からなんとかして富を再分配していただくことが重要になってくるんですね。

じゃあどうすればいいのか?

大体にして、産めば産むほど貧しくなるってのがもうありえない訳で、老人福祉は手厚いけれども、児童福祉が薄い日本は、どう足掻いても富める人も病める人も産みたくないわけですよ。

「子供はお金じゃないだろ!」って言う人ほど、長期的な計画を立てられずに、社会福祉のお世話になっているような生活基盤でぽこぽこ子供産んでそうです。

やはり産めば産むほど儲かるまでいかなくとも、産んだところで生じるデメリットはわずかなものであるってところまで行かなければ、産みたい人なんか増えないですよ。

少子化を食い止めた欧米各種や、高い出生率を維持しているアメリカ・イギリスの施策を見てみると、やはり出産後の女性の社会復帰のしやすさがポイントのようで、女性に家事も育児も介護も依存している日本では、到底夢物語のように感じます。

つまり、以前は家事・育児・介護労働者である女性を、お金で買うことができていた男性側が、「不景気なんだからしょうがないだろ」という理由で賃金の払い渋りをしていることが、一番の要因である気がします🤔

合わせて女性側の就職先もある程度自由に選べるようになった現代で、わざわざそんな3K労働を選びたい人って、よっぽどの変人じゃないでしょうか。

ネットでは「旦那デスノート」なるものもあるくらいですが、家族の生活を人質に取られて、ブラック企業から逃れられない労働者が「会社燃えないかな」って言ってるのと同様の心理ではないかと思います🤔
期待値が高かった分、就職より始末が悪い。

雇用主である男性側のアピールポイントとしては、当然「賃金は低いが、その分労働負担が少なく、自由に副業可能です」ってところじゃないでしょうか。

「俺が好きなんだろ? じゃあ働けよ」ってやりがいの搾取みたいな雇用主では、女性が逃げ出して当然ですね。

ほんとマジで、10ヶ月もかけて強制的な肉体改造を行い、行動制限と食事制限を数年かけて行い、24時間休息なしで応対しなければならない労働に対しての価値を、男性も女性も軽視しすぎです。

それを一夫多妻制にして「複数人の女性で持ち回りにして、一人あたりの分担量を減らせばいいんじゃね?」
って、明らかに男性の存在が不要です。

・家事育児介護労働を無給扱いにしない
・対価以上の労働を強要しない
・家事育児介護の外注費予算をきちんと取る

この辺りの意識改革からが手っ取り早いのではないでしょうか。
既に実践されている男性も多く、そういう男性はもう結婚できてますしね。

加えて、社会的な復帰のしやすさが必要です。

長く一つところで働けば働くほど、労働者としての価値が高まるというのはその通りですが、そもそも全ての労働者にそこまでの労働を要求している日本って変ですよ。

つまり人間ってのは、そんなに働けないっていうのを、もっと自覚すべきって話です。

戦後バブルの贅沢を経験してしまい、そこから生活レベルを落とせなくなった日本人の末路ですね…

30年前に20歳前後でバブルを体感した世代の引退まで、あと10年余りですが、その後はまた質素で効率重視な若者世代の活躍が期待できるのではないかと思います。

話が長くなってしまったけれども、要するに一つの制度を改革したところで、劇的に少子化が改善される方法はもはやなく、様々な要素を少しずつ変えていくことしか、起死回生のチャンスはないということです。

少しずつしか変えられないです。
誰しも既得権益を簡単には手放せないので。

おそらく女性が先に「子供を産む」という既得権益を手放しました。

次に男性が家事育児介護の「無償労働力」を手放しています。

60歳世代が「穏やかな老後」っていうのも手放しているかもですね。

次は企業が「最低賃金で限界値まで働く労働力」辺りを手放せたらなと思います。
これはIT化やシステムの効率化で変えていけるので、その前に「ITに対応できない」って騒いでいるおじさん世代の「安心できる変わらない環境」ってのを手放せないと進めないですね🤔

資本が集中している企業や国も、少子化対策に向けて放出できれば良いのですが…この辺は「戻り」が少なすぎるので、難しいでしょうね。

法人税を搾り取って、税金で学校無償化などを進めていきたいところですが、そうすると日本企業が減ってしまうので(充分減っている)

モナコのように法人税優遇して誘致を狙って、雇用と雇用者賃金を増加させる方向もありますけど、一旦国庫負担が大きくなるので、今度は国民が国庫を手放す必要が出てきますかね🤔

うーん、考えれば考えるほど、やはり既にある資産を一点に集中させて再分配する、銀行や仮想マネーが理想的なビジネスだなという気がしてきます。

結婚制度について言及するつもりが、いつの間にか「富を再分配するには」みたいな話になってしまいましたが、要するに資本主義が加速して一点に集中された資本が全体に行き渡れば、ある程度のことは解消されるよ!

そうすれば、一夫多妻制だろうが、男性不要の女性集落だろうが、ボノボのような自由集団だろうが、何でも良いんじゃないかな!!

そう考えると副業時代への移行、生涯雇用の解消は、理にかなってるんだな〜

っていうのが、今回頭の中をごちゃごちゃ書き出して整理してみたことによる感想でした🤔

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