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【読んだ】8月の本たち

8月に読んだ本たち。これらの本を読んで考えたことを端的にまとめている。

夏の庭/湯本香樹実

"死"に興味を持った小学生が、近所に住む死にそうなおじいちゃんに張り付き死の瞬間を見ようとする、という話。小学生の時、読書感想文の推奨図書として選ばれていたものの、あらすじを読んでなかなか勇気が出ずに手に取れなかった本である。(私はおじいちゃんっ子であるため)
今読んでみると、小学生たちの気持ちだけでなく、おじいちゃんの立場になって考えることもできたのがよかったと思った。おじいちゃんにとってもまた、小学生との出会いは社会とのつながりで、生き生きとした時間を過ごしたのだということが夏の空気感の描写とともに伝わってきた。人との距離感について考えたくなる本である。

旅のラゴス/筒井康隆

旅の話で盛り上がった知人のおすすめだったので読んでみた。
文明が失われた代償として超能力を得た人々が生きる世界で旅をするラゴスという青年の話。
SFファンタジー小説はフィクション感が強い印象があるが、筒井康隆の描く世界観は我々の日常と地続きで、すぐその先にあるような気がする。また、旅の紀行文ではなく、ラゴスが思ったこと考えたことが書かれているのもよい。私も旅(?)が好きで、旅とは本来究極に内向的な所業であると思っている。
作中の雰囲気はこんな感じ。面白かった。

"そもそも勝手な推測で人間をある隊列とか図形に配置するということにはなんの意味もないのだし、かえって各個人が他人への依存心を強めてしまうのだ"

「集団転移」より

レジの行列が早く進むのは、どっち!?/サトウマイ

日常の出来事がいかに統計と関わりがあるかをやさし〜く楽しく書いてくれている本。レジャーのために買ったが、仮説設定や可視化した結果を解釈する際の解像度アップにつながった気もする。(あくまで所感)。
数字アレルギーの方でも楽しく読めるはず。

データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門/阿部真人

データ分析起点で統計とはなんぞやを知りたいときによく出てくる本らしい。部分的に見てはいたが、チーム内の共通言語は会得する必要があると思い自分でも買って読んでみた。概要や目的を理解するにはとても分かりやすくてよい本だと思う。分析手法などだいぶ分かりやすく図解されてるので、初心者の最初の一手として理解しやすいと思う。実戦前の土台を作っておきたく、出勤中に読んでいた。

はじめてのUXリサーチ/松薗美帆, 草野孔希

UXリサーチとはなんぞや、なんのためにやるのだ、どうやってやるのだ、というところを分かりやすくまとめてくれている。UXリサーチ周りはnoteやTwitterで発信している人が多い印象で、断片的に具体事例や手法の知識は得られるものの、仕事内で実践するために必要なプロセスがしっかり書いてあるのが良かった。学びなどまとめておきたいと思いつつまだできていないので徐々にまとめていくと思う。

おいしいをつくる思考法/鳥羽周作

最近の料理界で一番有名では?な鳥羽周作シェフの本。私は食べ物と食空間(とそれに伴う人間関係)がとても好きで、暇さえあれば飲食店をブックマークしたり飲食店まわったり、をしており、そんな自分にぴったりだと思って購入した。「おいしさ」という概念はかなり曖昧で不安定なものだと思っていて、同じ食べ物でも食べる側のモチベーション, 心身の健康具合, 食べる相手, 空間, 作り手の雰囲気などなどによって大きく変わってくると思っている。(山の上で食べるカップラーメンが美味い、が分かりやすい例)
そんな中で飲食店が利益を出すには何を工夫すればいいのか、のヒントが見える気がする。組織の作り方まで手を広げて書いてあるので、企業本でもある。

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