どうも、どうも
いや、死を恐れるのは如何なものかと思ってね。だってほら、死ぬことは体験できないから怖いってのは分かるけれども。私もよくわかんない長い虫とか怖いんだよ、どこから出てくるんだろうなあれ。ま、そんなことは置いといて!それなりに生きてる君は、死を見たことくらいあるだろ?
怖かったかい?ほー、悲しかった。そうかそうか、じゃ、怖くないじゃないか。別に死ねって言ってるんじゃないんだ、死を恐れる人間ってどうなのかって話。私も死ぬのは嫌だよ〜。
うん、で、このタイミングで言うけど。私は死神なんだ、いわゆるやつ。
だから深くは話せないけども、君のさっきの宣言取り下げてくれないかな?
「や、でも、明日雨が降るんで」
それで彼の人生はおしまい。明日雨が降るからって雨具を先に買っておこうと、家を出たら車に撥ねられちゃったの。
ね、こんな話聞かされても恐ろしかぁないでしょ。でも悲しいってのは彼の死に対する感情だったけどさ、なるほどと思っちゃうな。
そう、死神なの。誰かの死の際に顕れるやつ。でも運命だからね、死ぬべき時じゃなかったらなんとかして助けるんだよ、あの時はちょっと上手くいかなかったけど。
それで、君はどうする?
その椅子を蹴って宙ぶらりんになってしまうのか、ムカつく上司に8枚切りの食パンちぎって投げつけるか。
「……投げつけます、パンじゃなくて、辞表を」
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