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12年目農醸 私たちの酒米の生育記録5
早々に気温が30℃を超えた昨年に比べて今年はいくらか過ごしやすいです。
ここ数年は大潟村を含む秋田県では梅雨入りしてもあまり雨が降らない年が多かったですが、今年は久しぶりに梅雨らしい天気が続いています。
私たちの酒米の状況をお知らせします^^
田植えから29日目の秋田酒こまちです。
まだ列の間がはっきり見えますが、順調に育っています。
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田植えから30日目の改良信交です。
こちらもすくすくと育っています。
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田植えから37日目の秋田酒こまちです。
前回から約1週間が経っていますが、一気に枝分かれが進んで列の間が隠れてきました。この頃が一番枝分かれが旺盛な時期です。
2回目の生育調査を終えて、目標としている茎の数(どのくらい枝分かれしたか)までもう少しでした。
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田植えから38日目の改良信交です。
こちらも生育旺盛です。
2回目の生育調査で目標としている茎の数をほぼ確保していることが分かりました。茎の数が多すぎると倒れるリスクが上がりますので、目標の数を確保できた後は速やかに水を落とします。
この水を落とす行程にはいくつか目的がありますが、水を落として乾かすことによりそれ以上の枝分かれを止めるという効果もあります。
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田植えから43日目の秋田酒こまちです。
この日が3回目の生育調査でした。
この時点で目標としている茎の数を確保できたことが分かったので速やかに水を落としました。見た目としてはだいたい列の間が見えなくなるくらいが目安と言われていますがまさにその通りでした。
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田植えから44日目の改良信交です。
一般的にも、松橋ファームとしても生育調査は10日おきに行っています。
平均的な連続した株を選んで茎の数、丈の長さ、葉の色などを計測して記録します。
前回、2回目の生育調査でほぼ目標の茎の数を確保できていたので3回目の生育調査を待たずに水を落として乾かしました。
今回の調査結果では、目標としている茎の数を大幅に上回っていました。
茎の数が多すぎると最終的に密度が上がって重みがかかりやすくなり倒れてしまうリスクがあがるでちょっと心配です。
しかし、倒れるリスクの判断は茎の数だけでなく丈の長さや葉の色(栄養状態)などを総合的に判断するのでこの時点でもの凄くリスクが高いとは言えない為、ひとまず様子を見て今後の対応を考えることにしました。
と言うのも、本来であれば茎の数が確保できた段階で水を落として土を乾かしてさらなく枝分かれを抑制するのですが、今年は田んぼを乾かしたい時期に梅雨らしい長雨と定期的な大雨が続き、田んぼが全然乾きませんでした。その為、水を落とした後も茎の数が増え続けて予定よりも多めになってしまいました。
これは松橋ファームだけではなく大潟村全体の傾向です。
この後、倒れないように注意が必要です。
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列の間が茎で隠れて見えなくなる頃までには雑草が生えやすい状況が続きます。そうならないよう、松橋ファームでは除草剤を使うのですが、今年は秋田酒こまちの方で薬の効きが悪く、局所的に草が生えてしまいました。
その段階からでも効く除草剤もまだあるのですが、田んぼに入って直接手で草取りをすることにしました。
こんな風に生えています。
放っておくと稲の養分を奪ってしまうのと、種を付けると翌年以降に増えてしまうのでできるだけきれいにしたいところです。
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上の写真のようにある程度大きくなると見えやすいのですが、小さいうちはこんな感じ。これらもできるだけきれいに草取りしました。
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ちなみに、松橋ファームでは水を落とす前に溝切りという作業をします。
写真ではちょっと見づらいですが、機械でこのように適度な間隔で溝を掘ります。これを排水路に繋ぐことにより水が抜けやすくなりますし、再び水を入れたい時も水の通り道となって水がまわりやすくなります。
この田んぼを一旦乾かす行程を中干し(なかぼし)と呼びますが、中干しの効果については次回お伝えします^^
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引き続き皆で12年目農醸の酒米の田んぼを見守って行きましょう^^
稲の花見会はまだ定員に余裕があります。
懇親会のみの参加も大歓迎ですので是非ともお越しください^^
●農家とつくる日本酒プロジェクト
webページ/https://noujou.jp/