10年目農醸 私たちの酒米の生育記録⑤
田植え後6週目
田植えをしてから38日目の「秋田酒こまち」です。
ちょっと元気が無かったですが、気温が上がってきてだいぶ茎の本数が増えてきました^^
田植えから36日目の「改良信交」です。
こちらも緑がだいぶ濃くなってきました。
田んぼに水を張っているうちは茎が枝分かれ(分けつ)していくのですが、ある程度の葉齢(葉の枚数で判断する人間で言う年齢のようなものです。)を過ぎると、そこから分けつして来た茎には籾が実りません。
茎の本数が増えれば増えるほど重みがかかって倒れるリスクが上がりますが、籾が実らない茎の本数だけが増えてもリスクだけは上がって収穫量にはそこまで影響が無くなってしまうので、ある程度の葉齢のところで水を落として分けつを抑制する必要があります。
ただし、本数が少なすぎても収穫量が少なくなってしまうリスクがあるので、ちょうど良い本数になるように調整を試みます。
つまり、あり程度の葉齢に達するまでに狙い通りの本数を増やすことができるかがこの時期の大きなポイントになるということです。
分けつを促すこと以外にも、そもそも田植えの時に1株の本数を増やす、植える密度を上がるなどの調整の仕方もあります。
6週目のこのタイミングで茎の本数を数えてみると、まだ本数は目標に達していませんでしたので、もう少し水を張って粘ることにしました。
田植え後7週目
田植えをしてから46日目の「秋田酒こまち」です。
7月に入ってから一気に気温が上がり、さらに分けつが進みました。
必要な本数の目安として、遠くから見たときに列と列の間が見えなくなるくらいということが言われています。
見る角度にもよりますが、ぱっと見で列の間がほぼ見えなくなりました。
田植えをしてから44日目の「改良信交」です。
こちらもうっすらとしか列の間が見えなくなりました。
正確な情報を得るために定点観測ポイントの本数を数えてみました。
多少のムラはありますが、平均的な連続する株に目印をつけてそこを定期的に計測して様々な判断の材料にします。
前週にまだ茎の本数が足りないために水を張って分けつを促すという判断をして1週間。着実に本数は増えていましたが、それでも見た目とは裏腹に、目標とする本数には達していませんでした。田植えをしてから7週目ともなれば例年、意味のある分けつの限界の時期と言えますが、今年は葉齢の進行が平年より少し遅れているようなのでもう少しだけ水を張って粘ることにしました。
田植えをしてから50日目の「秋田酒こまち」です。
この日は定点観測の日でしたので茎の本数以外にも生育調査をしました。
好天に恵まれてぐんぐん成長していました。
田植えから48日目の「改良信交」です。
もうすっかり列と列の間が見えなくなりました。
調査の結果、だいぶ良くなってきたものの、まだ目標の茎の本数には達していませんでした。
しかし、さすがにもう時期的に限界だと判断して、足りないながらも水を落とすことにしました。
今年は大潟村全体としても茎の本数は少し少なめのようなので傾向通りと言えばそれまでなのですが、こういう時に少しでも良い状態になるように種まきや田植えの仕方を工夫してみたいと思います。
工夫すると言っても来年のことですが・・・。
茎の本数は少ないものの、丈は平年よりも伸びています。
丈が長い上に本数も多いと倒れるリスクが上がるので、そういう意味では本数少なめでややリスク低め、結果オーライかな、とも思っています。
と、このようにせっせとデータを取りますが、収穫量・品質については最後の最後、選別してみるまで分からないとも言われます。
(一昨年は本数が少なかったのに記録的な豊作でした。)
奢らず、必要以上に不安にならず、淡々とできることを続けていきたいと思います!