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『Soneium』ローンチで浮き彫りになった光と影 ー ソニーが描くweb3の未来とは一体……
2025年1月14日、ソニーグループが満を持して発表した独自ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」のメインネットが、ついにローンチされたのです。
テストネット段階で既に15百万以上のアクティブウォレット、4,700万以上のトランザクションを記録し、大きな期待を集めていたSoneium。
しかし、ローンチ初日から予想外の展開が待ち受けていました。ソニーの知的財産権を巡る騒動が勃発し、暗号資産コミュニティを二分する論争へと発展したのです。
エンターテインメントの巨人ソニーは、この新たな挑戦でどのような未来を描こうとしているのか。そして、ブロックチェーンの根幹である「分散化」と「中央集権」の相克は、どのように解決されるのか。
本記事では、Soneiumの全貌から、実際の使い方、そして浮き彫りになった課題まで、徹底的に解説していきます。
Soneiumとは?
Soneium(ソニューム) は、ソニーグループと渡辺創太氏が率いるStartale Labsの合弁会社であるSony Block Solutions Labsによって開発されたパブリックブロックチェーンです。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとしてOptimismが開発した「OP Stack」を活用しています。これにより、トランザクションの処理速度が向上し、手数料(ガス代)が大幅に削減されました。
2025年1月14日にメインネットがローンチされ、イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして高い性能を誇ります。Soneiumは、高速かつ低コストなトランザクション処理を実現し、開発者やクリエイターにとって魅力的な環境を提供しています。
テストネット「Soneium Minato」の結果
メインネットローンチ前にテストネット「Soneium Minato(ソニューム・ミナト)」が公開されていました。
結果としては、次のような成果が報告されています:
15百万以上のアクティブウォレット
4,700万以上のトランザクション
※引用:https://beincrypto.com/sony-soneium-blockchain-now-live-after/
これらの数字は、Soneiumのプラットフォームが多くのユーザーや開発者に支持されていることを示しています。テストネット期間中には、32のプロジェクトが「Soneium Spark」インキュベーションプログラムに選ばれ、エンターテインメント、ゲーム、NFT、ソーシャル、金融など多岐にわたるアプリケーションが開発されました。
ETHをSoneiumにブリッジする方法
ステップ1: ウォレットの準備
まず、ウォレットを準備しましょう。
ウォレットは、暗号資産を管理するためのツールです。ここでは、広く使用されているMetaMaskを例に説明します。
MetaMaskのインストール
MetaMask公式サイトにアクセスし、ブラウザ拡張機能をインストールします。
ウォレットの設定
MetaMaskを開き、新しいウォレットを作成するか、既存のウォレットにログインします。
Soneiumネットワークをウォレットに追加する必要があります。以下の情報を使用してください:
ネットワーク名: Soneium
RPC URL: `https://rpc.soneium.org`
チェーンID: `1868`
通貨記号: `ETH`
MetaMaskでの追加手順:
MetaMaskを開き、画面上部のネットワークドロップダウンをクリック。
「ネットワークを追加」を選択。
上記の情報を入力し、「保存」をクリック。
ステップ2: ブリッジサイトにアクセス
ETHをSoneiumネットワークに移動するために、ブリッジサービスを利用します。ここでは、Superbridgeを例に説明します。
Superbridgeにアクセス
ブラウザでSuperbridgeの公式サイトにアクセスします。
ブリッジ元とブリッジ先の選択
ブリッジ元: Ethereum(ETH)
ブリッジ先: Soneium
ウォレットの接続
「ウォレット接続」ボタンをクリックし、MetaMaskを接続します。
ブリッジするETHの量を入力
移動させたいETHの数量を入力します。手数料や最低・最高ブリッジ量に注意してください。
トランザクションの確認と実行
入力内容を確認し、「ブリッジ」ボタンをクリック。
MetaMaskでトランザクションを承認します。
トランザクションが完了するまで待ちます。完了後、Soneiumネットワーク上にETHが反映されます。
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ローンチ記念NFTのミント手順
Soneiumのメインネットローンチを記念して、限定のNFTをミント(発行)する方法を紹介します。以下の手順で簡単に自分だけのNFTを手に入れましょう!
ステップ1: NFT作成プラットフォームを選ぶ
SonovaNFTローンチパッドなど、Soneiumネットワークに対応したNFT作成プラットフォームを選びます。公式サイトにアクセスしましょう。
ステップ2: ウォレットの接続
プラットフォームの「Connect Wallet」ボタンをクリック。
MetaMaskを選択し、先ほど追加したSoneiumネットワークを選びます。
ウォレットを接続します。
ステップ3: NFTのミント
「Mint NFT」ボタンをクリック。
ミントするためのガス代として、先ほどブリッジしたSoneium ETHを使用します。
内容を確認し、「Mint」ボタンをクリック。
MetaMaskでトランザクションを承認します。
トランザクションが完了すると、NFTが発行されます。
※ミント費用は300円程度(0.00050719 ETH)かかりました。
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ステップ5: NFTの確認
発行したNFTは、今後「Sonova」プラットフォームの「Sell」セクションでミントしたNFTの情報や取得費用は確認できます。
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暗号資産コミュニティからの批判: $TORO(Toro Inu)の事例
一方で、「Soneium(ソニューム)」のメインネットローンチに伴い、暗号資産コミュニティから強い批判が寄せられています。
特に、$TORO(Toro Inu)の取引停止に関する具体的な事例を通じて、Soneiumが直面している課題について解説します。
$TORO(Toro Inu)とは?
$TORO(Toro Inu) は、ソニーの公式キャラクター「Toro Inu」を基にしたミームコインです。Soneiumブロックチェーン上で運用されており、コミュニティの支持を受けていました。しかし、2025年1月14日のメインネットローンチ当日に、Soneiumの運営側が$TOROの取引を停止したことが報告されました。
取引停止の理由: 知的財産権(IP)侵害の疑い
$TOROの取引停止について「知的財産権(IP)侵害の可能性」を理由としていると考えられます。
Soneium is committed to protecting creators’ IPs and rights onchain while maintaining the spirit of decentralization!
— Soneium 💿 (@soneium) January 14, 2025
Our documentation outlines how we safeguard IP rights and combat malicious activities - all while keeping web3's core values of openness and innovation intact.… pic.twitter.com/RHGvNIDXHE
具体的には、$TOROがソニーの公式キャラクターである「Toro Inu」を無断で使用していたことです。この決定により、$TOROを保有していたユーザーは資産の取引ができなくなりました。
コミュニティの反応
Soneiumの$TORO取引停止に対するコミュニティの反応は、非常に厳しいものでした。
以下は、具体的な批判例です:
Pop Punk:
Soneiumは文字通り「fed chain」(連邦政府が管理するチェーン)だ。Soneiumの運営は任意の資産を凍結できる。Sonyの利用規約によると、任意のスマートコントラクトをネットワークから削除できると示唆している。
I know that other centralized L2s vaguely state in their terms of service that they can block EOA's at the sequencer level...
— Pop Punk (@PopPunkOnChain) January 14, 2025
But Sony's ToS imply that they can just nuke a smart contract off the fucking network lmao.
Jordan
Soneiumはどんな資産でも凍結できることが笑えない。これは信頼性を大きく損なう行為だ。
You know it was funny that I mentioned Optimistic roll ups in this thread. You know what is not funny.
— Jordan (@jordanburgess0x) January 14, 2025
Soneium can freeze ANY assets they want. pic.twitter.com/XeQU4MveXf
Kawz:
Soneiumはローンチ日にユーザーから100kドル以上のETHをラグプルした。許可されたチェーンを望むなら仕方ないが、開発者をホワイトリストに入れる代わりにコントラクトを凍結する選択をしたのは驚き。
.@soneium rugged users >$100k in ETH on launch day
— Kawz (@0xKawz) January 14, 2025
I've never seen anything like it
Want to be a permissioned chain? fine. Instead of whitelisting developers, they chose to instead freeze contracts (effectively rugging users)
Amazing launch! pic.twitter.com/OYWEb7Wiwg
これらの暗号資産界隈からのコメントは、Soneiumの中央集権的な管理が、暗号コミュニティの根本的な価値観と対立していることを示しています。
分散化、透明性、ユーザーの自主性が重視される中で、中央集権的な管理は信頼性の低下につながります。
まとめ
Soneiumのメインネットローンチは、ソニーグループのブロックチェーン戦略の重要な一歩です。
本記事では、Soneiumの概要やETHをSoneiumにブリッジする方法、ローンチ記念NFTのミント、そして暗号資産コミュニティからの批判や課題など解説しました。
特に、$TORO(Toro Inu)の取引停止事例は、Soneiumが中央集権的な管理を行うことによる暗号コミュニティからの信頼低下を象徴しています。分散化と透明性を重視するブロックチェーンの本質に反する行為は、ユーザーの信頼を損なう重大な問題です。Soneiumがこれらの課題にどのように対処し、コミュニティとの信頼関係を再構築していくかが、今後の成功の鍵となります。
暗号資産の世界は常に進化しており、新しいプラットフォームが登場するたびにその信頼性と透明性が試されます。Soneiumが直面する課題を乗り越え、ユーザーの信頼を取り戻すためには、透明性の向上、コミュニティとの積極的な対話、分散化の推進が不可欠です。ユーザーとしても、こうした動向を注視し、信頼できるブロックチェーンのプラットフォームを選ぶことが重要です。
良し悪しを踏まえて、一度この機会にSoneiumを試して、新しいデジタル体験を楽しんでみてください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
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