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結城りなのことを大好きになった日②【承】 (2024.10.7 #SASUKEアイドル予選会 現地観戦記)

(以下、グループ名・メンバー名については、全て敬称略で失礼します)

「SASUKEアイドル予選会」の現地観戦記②です。今回はYouTubeで順次公開されている全6回<予選会>シリーズのうち、第2回の観戦記となります。


第1回の観戦記は、こちらからどうぞ↓

■「地獄の」と銘打たれた第2種目

第1種目が終わってすぐ、第2種目がスタートした。
この予選会では、種目ごとに獲得ポイントが加算されていく形式だが、高得点を狙うほど競技での消耗度が増し、次の種目への疲労が蓄積されていくのが大きな特徴となっている。
第1種目を1位で終えた結城りな、2位の大信田美月(≒JOY)は、約20メートルを全速力で3回走った直後に、息を整える間もなく次の挑戦に立ち向かうことになった。

第2種目「シャトルラン」は、12人が一斉にスタートし、25メートル先のラインを越えてすぐきびすを返して戻ってくるという競技。最下位の選手が1回ごとに順次脱落していくサバイバル方式だった。
40秒のインターバルを挟みながら、最大11回も走ることになる過酷なもので、それゆえ、よほどの体力オバケでもない限り、上位に入るために他の選手との距離感を見極めてスタミナを温存する冷静な判断力も求められる。
結城りなは第1種目で30ポイントのリードを築いていたため、この種目で必ずしも1位を取る必要はないようにも思えた。
無責任ながら「1位取れなくても、上位に入れば十分なんじゃ?」と、やや楽観気味な雰囲気の応援席。

こちらの勝手な楽観的な気持ちも相まってかもしれない。
自分には正直言って、「シャトルラン」は、見た目の派手さには欠けており、前半は淡々と進んでいるようにも見えた。
それゆえか序盤は歓声も控えめに見えたが、残っている選手が少なくなっていくにしたがって緊張感が高まっていった。
少しずつたまっていく疲労感から、折り返しのターンで足を滑らせる選手が出たり、ペース配分を誤った選手が脱落したり。そういったちょっとしたことで、前半で脱落してしまうと大きなポイント差につながる----2種目めとはいえ、優勝のためにはそれなりのポイントを加算しておく必要はある。
ただ、このあとの競技へ費やすスタミナを犠牲にするかどうかとの相談だった。

■いつだってギリギリさ

結城りなは終始安定した走りを見せた。
最下位の少し前でゴールする場面もあったが、これはエネルギーを温存するための計算された作戦だったのかもしれない。
広い体育館の中、遠目には余裕の笑みを浮かべているように見えたが、実際にはギリギリの状態だったのだろう。

前の種目で1位だったため、結城りなは、正面スタンドに最も近い場所でこの競技に臨んでいた。

正面スタンドのすぐ下に、実況席・解説者席と隣り合わせで、応援メンバーのエリアが設けられていた。
競技の途中で時折モニタに大写しになる、各々のグループのメンバーが同士に声援を送る様子はとても微笑ましかった。
その中でも、芹澤もあの姿は、やっぱり何をしていてもコミカルかつキュートだった。

赤いTシャツを着て、固まっていた結城りな応援エリア以外にも、正面スタンドには、ちらほらとukkaのTシャツを着たり「りな」のボードを掲げたファンの姿が見える。
その片隅には、ukkaのイベントで司会進行をつとめることの多い、テイチクの男性スタッフの姿も見えた。遠めにはいつもより険しい表情で、両手を合わせている。

12人のうち半数が脱落した時点で、残った顔ぶれは結城りなを含む4人の20代と2人の10代だった。
「最下位にならない」走り方を重視する戦術が、この段階では奏功しているように思えた。

「もう一本!」「もう一本!」手に持ったメガホンから声援をかける観客席。
しかし、残り3人まで生き残ったものの、結城りなは、最後には10代の選手2人に及ばなかった。

この種目で優勝したのは、岩本理瑚(僕が見たかった青空)だった。
最後まで食い下がる風見和香(私立恵比寿中学)をゴール前であっさりと振り切った。

最初の選手紹介で颯爽と登場して、見事なバク転を披露した彼女が、今回の出場選手随一のスポーツ少女だということを、後から知った。

——デビューシングル『青空について考える』のMVでは、ラケットを振るシーンがありましたよね。
岩本 中学時代は朝練を6〜8時までやって、授業が終わって5〜7時までやって、また別の場所で7〜9時まで練習していました。土日は朝9時から夕方5時までです。でも、私としては土日の方が好きでした。早起きしなくていいから。
——どちらにしても、すごい練習量ですね。
岩本 グループで一番運動神経はいいと思います。陸上、器械体操(4歳から6年)、水泳(4歳から6年)もできます。最近、筋肉が落ちてきて、いい感じになってきて。触り心地がいいのか、メンバーが「この腕触らせて」って言ってきます。
テニス部時代は「腕立ての神様」って呼ばれていたんです。体操をやっていた頃から腕立てはやっていたので、20回連続であごを下に付ける腕立てをビーチに行っていたら、「神だ!」って言われるようになりました(笑)。

ENTAME Next 2023.12.29 岩本理瑚インタビュー記事

ここまで順調に来すぎていたから忘れていたけれど、私が知らないだけで、当然、ここに集っているのは強力なライバルばかりだ。
でも後半もこの調子で行けば、ずっと楽しみは続くぞ。

■このあと20分間の休憩に入ります

風見和香にわずかに遅れて、ゴールラインに駆け込んだ結城りなが、そのまま笑顔を浮かべながら前のめりに倒れていったところまでは、モニタ越しに視界に入っていた。
その結城りなが、いま、会場の隅で壁にもたれかかり、息をきらしながら動けなくなっていた。スタッフに囲まれ、酸素スプレーを吸いながら、壁に向き合っている。
取り囲んでいる人たちの陰で、その顔を見ることは叶わない。

いつのまにか、ずっと遠巻きに見ていたukkaのマネジャーや、応援席にいた芹澤もあも、結城りなのそばに立って心配そうに結城りなを見つめていた。

そののち告げられた20分間の休憩。
まだインタビューを受けることもできず、立ち上がれない結城りな。

出場選手・応援メンバーは、散り散りに中央のメイン扉から退出していったが、結城りなを囲む人の輪はそのまま数分間、動かなかった。
その後、私たちが陣取っていたエリアからはちょうど死角になっているところから、いつのまにか姿を消していった。
やはり、その顔を見ることすら叶わなかった。

心配と戸惑いと。
2種目を終えて、結城りなが依然トップに立っている。
そのことを示す順位表がモニタに映っていることすら、気づかなかった。

ただ、このタイミングでの休憩は助かった。
まだまだ運はこちらに向いているぞ。
次の競技までに、どこまで体力が回復できるか。
大丈夫だよな、と思いながらも、かすかな不安は拭い去れなかったけれども。

(【転】へ続きます)


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