
高次脳機能障害と自動車運転
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
「運転に必要な高次脳機能とは?」を紹介します。
はじめに
脳卒中発症後は、免許の更新時期に関係なく、そのことを申請し、状況により臨時適性検査を受ける必要があります。
その際には、主治医の記載した診断書(公安委員会提出用書式)の提出が求められます。
これは、日本の道路交通法第103条で免許の取消し、停止の病気として脳卒中後遺症の1つである『高次脳機能障害』が、主に施行令第33条の2の3「自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断または操作のいずれかの能力を欠くこととなる恐れがある症状」に該当するため、主治医の診断書が必要になります。
では、運転に求められる高次脳機能はなんでしょうか??
高次脳機能にも様々な種類がありますので、その中でも運転に必要な機能を説明します。
運転に必要な高次脳機能
大きく5つに分類することができます。
1)注意機能(情報処理速度、反応時間を含む)
☑︎ 持続/選択:信号、道路標識、他車、歩行者など集中すべき対象への注意の集中
☑︎ 転換:変化する状況に応じた注意の転換
☑︎ 配分:前車や側方車などへ注意の配分
2)視空間認知機能
☑︎ 車線内での適切な走行
☑︎ 車庫入れ、縦列駐車に重要
☑︎ 走行中、前後左右の車との車間距離の把握
☑︎ 他車の速度、走行している方向の把握
3) 言語機能
☑︎ 道路標識等、文字の把握
☑︎ カーナビの音声の理解
4)遂行機能
☑︎ 効率の良い道順での移動
☑︎ 天候や渋滞の影響を考慮した運転計画
5)記憶機能
☑︎ ミラーで得た位置や速度の記憶の反復
☑︎ 標識や交通規則の記憶
その他にも、病識、運転能力の自覚、感情のコントロールも重要な要素です。
自動車運転再開のための評価の必要性
先ほど話した通り、脳卒中後遺症には手足の運動に関わる能力以外にも、運転を安心、安全に行う上で非常に重要な「記憶」「注意」「空間認識」「計画の立案と実践、修正」「判断や推測」「言語」能力や、「知能」の低下する恐れがあります。
これらの能力を自分自身で認識することが困難な場合が多いため、事前に運転時の危険性を予測することが重要です。
では、それぞれの機能に対して必要な評価を紹介します。
◯ 認知機能
☑︎ MMSE
☑︎ RCPM
◯ 視空間認知機能
☑︎ BIT
◯ 注意機能
☑︎ TMT -J
☑︎ WAIS符号
◯ 構成機能
☑︎ ROCFT
☑︎ kohs
◯ 遂行機能
☑︎ FAB
☑︎ BADS
これらに加えて、SDSA(脳卒中ドライバーのスクリーニング評価)と呼ばれる検査も有効であり、4つの項目から脳卒中ドライバー専用の検査です。
最低でも、上記の検査を行い、運転に必要な機能を評価することで運転が再開できます。
参考にしていただければ幸いです。
おわりに
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