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記憶障害の深掘り:記憶障害のアプローチ「代償手段の利用」

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…

記憶障害のアプローチ:代償手段の利用」につ説明します。

記憶障害へのアプローチ法 

記憶障害へのアプローチには…

□ 環境調整
□ 学習法の改善
□ 代償手段の利用


この3点が基本的なアプローチです。

その中でも「代償手段の利用」について解説していきます。

代償手段の利用

代償手段には、内的補助手段と外的補助手段があります。

それぞれの特性を説明していきます。

内在的補助手段

内的補助手段とは、記憶や想起をしやすくするために「記憶障害者自身が頭の中で用いるストラテジー」です。

※ ストラテジー:戦略

例えば、人の名前を覚える際に、視覚的なイメージ(並木さん→並木道)に置き変えて覚えるなど、自分が定着しやすい方法で覚えます。

また、まとまった内容を記憶するときに、情報を整理した形で取り組むための方法として「PQRST法」があります。

PQRST法は記憶障害の方に対する学習方法の1つです。

□ PQRST法
P:Preview(ざっと目を通す)
Q:Question(質問を作る)
R:Read(じっくり読む)
S:State(質問に答える)
T:Test(答え合わせをする)
記憶障害のリハビリテーション -その具体的方法- 綿森ら

① 全体的文脈を学習するためにざっと目を通す
② テキストのキーとなる概念について尋ねる
③ 質問に答えることを念頭に置いて読む
④ 読み終わった助方を能動的に覚えこむ
⑤ 質問に答えることによって自ら再検討する

から構成されています。

PQRST法は、内的記憶戦略法の1つで。文章を記憶するために有効な学習法です。

※ 言語的記憶戦略と呼ばれる

□ PQRST法の対象者とは
PQRST法は、言語性記憶障害のある方が対象になります。
学校の授業では、科目ごとの教科書や専門書などを活用し、学んでいくと思いますが、その際に言語性記憶障害があると考えてみてください。
学習が捗りにくくなるのはイメージしやすいと思います。
PQRST法は近時記憶に対する戦略であり、数分から数時間、数日といった記憶保持過程における新しい情報学習するためには有効な手段です。
□ PQRST法の実施方法
PQRST法は…
☑︎ 文章のみの課題(文章課題)
☑︎ 文章+写真を含んだ課題(視覚課題)
に分けることができます。
課題にはよく新聞の記事を活用します。
新聞の記事には、短いもの〜長いもの、写真や図が挿入されているものまで多岐にわたるため、課題選びには困りません。
また、対象者の興味や関心に沿った記事を選択することができ、記憶保持の助けになることも期待できます。
Questionで設定される質問数には特に決まりはありません。
文献等を見ていると、5〜6つ程度の質問数を設定しているようです。
質問の内容にも特に規定はなく、「いつ」「だれが」「どのように」「どうして」などの視点から質問を設定していくのがよいと思われます。
Readでは答えを確認しながら読んでいきますが、記憶の保持を助けるために答えとなる文章を見つけたら線を引くなどして目立つようにすることもあります。
Self-Recitationでは質問に沿って積極的に答えを覚えていきます。
Testでは再生までの時間に特に規定はありません。Self-Recitationが終了してから10秒程度経ってからTestを行います。
記憶障害を有する方においては、誤りなし学習を行う方が記憶の定着がよいと考えられており、これはPQRST法にも応用ができます。
Testにおいて即答できない場合に、正解を導くための最初の語などを提示することにより、誤った表出を防ぐようにします。

外的補助手段

外的補助手段とは、記憶障害によって生じる困難を減らす目的で「日記/メモ/カレンダー/手帳/ICレコーダー/タイマー機能」など、道具を活用して、記憶の補助を促す方法です。

この方法は、自覚症状や、動機づけ、気づきを図りつつ、実際に使いながら定着させる必要があります。

上記を意識しつつ、繰り返し活用しなければ定着は難しく、退院後に活用できないパターンは少なくないので、注意しましょう。

おわりに

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