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記憶障害の深掘り:記憶障害のアプローチ「学習法の改善」

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…

記憶障害のアプローチ:学習法の改善」につ説明します。

記憶障害へのアプローチ法 

記憶障害へのアプローチには…

□ 環境調整
□ 学習法の改善
□ 代償手段の利用


この3点が基本的なアプローチです。

その中でも「学習法の改善」について解説していきます。

記憶障害に対する学習法の改善

記憶障害は筋肉トレのように、繰り返し行うことで改善するものとは違い、新たな学習は極めて困難です。

なので…

☑︎ 本人にとって重要で必要なこと
☑︎ 本人が行わなけらばならない作業の手順

など、限定して学習することが大切です。

学習を促進する方法は…

□ 注意を払う
□ 覚える材料を整理して構造化する
□ 他の物事に関連付ける

など、深い処理を行うことや時間間隔をあけて学習するなど、の有効性はこれまでの研究で明らかになっています。

ここでは、エラーレス学習と間隔伸張法を説明します。

エラーレス学習

エラーレス学習(誤りなし学習)とは、誤りをさせない学習方法です。

一方、誤り(試行錯誤)を通じて学習していく方法は、エラーフル学習(誤りのある学習)になります。

記憶障害を有する場合は、エラーレス学習とエラーフル学習を比較すると、エラーレス学習の方が良い成績になると報告があります。

その理由は…

【エラーレスを選択する理由】
記憶障害を有する方は、一度間違えて覚えてしまうとその誤反応が残り、正しい反応と行動を修正しにくくなる特徴があります。
そのため、記憶障害の訓練時に、新規のことを覚えようとする際は、先に謝ったは脳が出るのを避ける必要があります。

これらのことから、記憶障害を有する場合は、エラーレス学習を中心にリハビリメニューを組みましょう。

※ エピソード記憶が保たれている場合は、誤反応があっても、その体験をもとに正しい反応や行動に修正することが可能

エラーレス学習を活用したリハビリ

次に、エラーレス学習をどのように活用するかを考えます。

基本的には、対象者に「推量(考える/推測する)を求めない」ことが重要です。

考えて出した答えが間違ったものだったとすると、記憶障害を有する方はその答え潜在的に保持され、次回も同じ間違えを表出させる可能性が高まります。

それは避けたいため、常に正しい答え/反応を対象者に提供しましょう。

※ この考え方は、セラピストだけでなく、看護、介護、家族など。対象者に関わるすべての方に徹底することが大切

エラーレス学習の具体例

対象者に推量を求めないことが重要なので、こちらから正しい反応を提示する必要があります。

例えば…

☑︎ 「今日は何月何日何曜日ですか?1月17日ですね」
☑︎ 「私の名前覚えてますか?はらリハですよ」

など、日常会話場面でもエラーレス学習を応用できます。

新規課題を行う場合は、対象者が迷いそうな素振りが見られたら即座に適切な行動が取れるように誘導し、正しい反応が潜在記憶として残るように介入しましょう。

また、対象者に話してもらうときも、答えに確信がないものを言ってもらうより、確実に確信が持てることにみ言ってもらう方が記憶障害を有する患者には有益となります。

間隔伸張法

間隔伸張法とは…

ある情報を保持する時間間隔を徐々に伸ばし想起させる方法

です。

例えば、ある言葉を覚えてもらい、

① 直後
② 30秒後
③ 1分後
④ 5分後
⑤ 10分後
⑥ 20分後

というように徐々に保持時間を伸ばし、想起させます。

これは、記憶障害や認知症の症状を認める方に有効な訓練です。

また、日常生活の中でも、車椅子のブレーキ操作や移動時の注意点など、リスク管理能力獲得のために応用できます。

注意したいのは、誤りの情報を覚えてしまうことを避けることです。

なので、不適切な行動や言動が見られた場合は、しっかり修正行動や手掛かりを与えて、誤りのない学習を促しましょう。

間隔伸張法の対象者とは

先ほどもちらっと紹介した通り、間隔伸張法は誤った情報の学習を強化する恐れがあるので、すべての方が対象になるわけではありません

間隔伸張法を実施するには、ある程度の手続き記憶が必要になります。

その確認に使えるのが以下のスクリーニングテストです、

【スクリーンテスト】
セラピストの名前を使用するのであれば…
□「私は◯◯です。では私の名前は?」と問いかけます(直後再生)。
□ 次に、「私の名前は?」と15秒程度して問いかけます。
□ 次に、「私の名前は?」と30秒程度して問いかけます。

→正しい解答が得られた場合は次の段階に進み、間違えが見られた場合にはもう一度行います。
→3段階のうちのどこかで3回間違えが見られたら間隔伸張法の対象にはならないと判断します。

間隔伸張法の使い方

間隔伸張法の課題には、基本的には対象者に必要性がある課題をもちいます。

例えば、担当者の名前/日付などがあります。

その他は、対象者への情報収集を通じてリストアップする必要があります。

また、単語/文章なども用いられることがあります。

以下、課題の例です。


これを見ていると、遅延再生の前に課題を入れていることが特徴的です。

課題を間に挟むことで、干渉後の再生課題となります。

おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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