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股関節が使えない方は必見!?股関節が動かしにくい原因を教えます。
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
「股関節が動かしにくい原因:筋肉の視点から考える」について解説します。
運動麻痺の改善を目指す、当事者とその家族、セラピストに向けて投稿します。
運動麻痺に対する課題を明確にする1つのヒントとして読んでいただければ幸いです。
はじめに
股関節は肩関節と同じく球関節(丸い)であり、
・3軸方向に動くし、
・曲げている時と伸ばしているときで筋肉の作用が違ったり、
・筋肉同士が複雑に絡み合っている
という点から、どこに問題があるのか非常にわかりにくいです。
でも、この関節は非常に重要で、脳卒中後遺症、特に運動麻痺と呼ばれる症状が生じると、股関節の機能は奪われ、それが原因で上肢や腰、膝関節を過度に使いすぎる現象が起きやすいです。
※ 運動麻痺については以下の記事をご参照ください!
本日は、股関節について理解を深めていきましょう。
股関節の本質
股関節の本質とは…
□ 体幹と下肢を繋ぐ関節
□ 自由度が非常に高い
股関節は腰椎、骨盤とも密に連携をとっており、股関節の機能に向けたリハビリを行う際は、腰椎、骨盤の動きも意識しながら行う必要があります。
また、動く範囲は広く、動く方向が多いため、同じ筋肉でも動かす方向と姿勢によって、筋肉の働く作用が変わることが多い関節です。
なのて、鍛えたい筋肉を働かせるためには「働く時の姿勢」と「動かす方向」が重要になります。
では、その中で求めたい股関節の条件はなんでしょうか??
説明します。
股関節の機能UPの必要条件
必要な股関節の条件は以下になります。
1)腰椎、骨盤、股関節が個別に可動性がある
2)股関節周囲筋にラグがない
3)大腰筋(お尻の筋肉)の機能が十分ある
片麻痺の方は、身体を一塊に動かしやすく、関節を個別に動かすことが非常に苦手です。
そのため…
・膝関節を過度に伸ばす「反張膝」
・腰を過剰に使う「反り腰」
・骨盤を引き上げながら足を振り出す「ぶん回し歩行」
・上半身の曲がる筋肉の緊張が過剰に高まる「ウェルニッケマン肢位」
など、代償的な身体の使い方を選択してします。
これらを改善させるためは、
□ 股関節が動く方向を理解する
□ 股関節の動きの制限を取り除く(筋肉の硬さ)
□ 股関節の動かし方を覚える
□ 動かし方を日常生活に取り込む
ことが必要になります。
ここでは『股関節が動く方向/動きの制限』の理解を深めましょう。
股関節の運動方向
まずは、股関節が動かせる方向を確認しましょう。
股間背の動く方向を覚えることで…
☑︎ 動かしにくい、動かせない方向を知り
☑︎ その方向の関節可動域を広げて
☑︎ その方向の筋力を鍛えて
☑︎ その方向の動かす感覚を覚えて
その股関節の動きを立ち上がりや歩き、階段、坂道など、日常生活に取り入れることで、回復に向かっていきます。
では、本題です。
股関節の運動方向は以下です。
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股関節の動きは…
☑︎ 屈曲(前方)
☑︎ 伸展(後方)
☑︎ 外転(外側)
☑︎ 内転(内側)
☑︎ 外旋(膝のお皿が外に向く)
☑︎ 内旋(膝のお皿が内に向く)
の6方向に動く関節です。
はじめにも説明した通り、股関節は球状の関節になっており、動かせる範囲が広いため、筋肉は姿勢によって発揮する運動方向が異なる点があります。
その為、脳卒中後遺症で多い筋肉の緊張が弱まる、強すぎる現象や、関節の可動域が狭まってしまうと、正常の運動から逸脱した動きになりやすいです。
まずは、自分の動かしにくい方向を確認してみましょう!
股関節の可動域制限因子
次は、股関節の可動域制限を作る原因を紹介します。
※ 代表的な制限因子であり、全ての原因がこれに当てはまる訳ではない
股関節屈曲制限因子
【屈曲制限因子】
□ 大殿筋
□ 中殿筋
□ 股関節前部組織(腸腰筋、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、鼠蹊部周囲の軟部組織)
□ 広背筋
□ 梨状筋 など
上記の制限を専門家ではない方が見つけるのは難しいので優先順位をつけて、一つずつ試しながら取り組んでみましょう。
※ ここでのアプローチはストレッチや電動マッサージ器での治療、自主トレ方法については今後、準備します
【介入の優先順位】
① 後方組織の硬さを改善する
股関節外旋筋群/大殿筋/中殿筋へのアプローチ
② 鼠径部(股関節前面の付け根)前方組織の硬さを改善する
腸腰筋/大腿直筋/縫工筋/大腿筋膜張筋へのアプローチ
③ 腸骨稜〜大転子周囲の筋癒着を取り除く
電動マッサージ器の利用
④ 骨盤の後傾制限の改善
広背筋/起立筋へのアプローチ
ストレッチだけでは、筋肉の癒着と呼ばれる、隣接する筋肉同士が張り付いた状態を取り除くのは難しいため、電動マッサージ器などを使用して、ピンポイントの場所を当てることができれば、ある程度は改善させることができます。
【セラピスト目線のスクリーニング】
前方でのインピンジメント:前方組織
股関節屈曲内転/内旋:大殿筋
大臀筋よりも内転/内旋:中殿筋
屈曲位での内旋ができない:外旋筋群
大体骨頭が前方に変位する:外旋筋群
寛骨後傾が制限される:広背筋や起立筋
股関節伸展制限因子
【伸展制限因子】
□ 腸腰筋
□ 大腿直筋
□ 縫工筋
□ 大腿筋膜張筋
□ 腹直筋(関節的に)
股関節伸展の動きを制限している原因は、股関節前面に付着している筋肉がほとんどです。
筋膜のつながりとして、腹直筋と呼ばれるお臍辺りの腹部の筋肉(腹筋)も起因することが多いでの、ストレッチ、電動マッサージ器でアプローチをしましょう。
【セラピスト目線のスクリーニング】
膝関節屈曲位での伸展制限:大腿直筋
膝関節伸展位での伸展制限:腸腰筋
股関節内転/外旋位での伸展制限:大腿筋膜張筋
股関節内転/内旋位での伸展制限:縫工筋
胸郭の可動域制限:腹直筋
股関節内旋/外旋制限因子
【内旋制限因子】
□ 股関節屈曲位:外旋六筋、大殿筋、中殿筋
□ 股関節伸展位:恥骨筋、縫工筋、梨状筋、大腿方形筋
【外旋制限因子】
□ 梨状筋/大腿方形筋
□ 中殿筋前部組織
□ 長内転筋
□ 大体内転筋
□ 恥骨筋
まとめ
以上、股関節の運動方向と可動域制限の原因について説明しました。
片麻痺患者で特徴的な股関節の使い方は、股関節屈曲/内旋位で固定する方法です。
そこを考えると、股関節伸展制限と股関節外旋制限の筋肉へのアプローチが優先事項だと思います。
ただ、股関節屈曲/伸展に関しては、屈筋群も伸筋群もどちらもアプローチした方が股関節周囲筋が活動しやすい位置になるので、股関節屈曲制限の問題にも取り組みましょう。
今後、上記の3つの制限の筋肉に対しての訓練方法も提示しますので、お楽しみに。
終わりに
ここまで、読んで頂きありがとうございます。
最後に、脳卒中後遺症の改善に向けた自主トレメニュー(有料500円)を紹介します。
「病院でやっていたリハビリ」
と
「本来回復に必要なリハビリ」
がズレていることが非常に多いです。
よく聞くのが「原因は筋肉」という話。
筋肉トレーニングも必要ですが、よくよく考えると根本的な問題って脳じゃないですか?
だって脳の損傷なんですもん・・・
脳の回復に必要なリハビリしないといけないじゃないですか。
そこをピックアップした自主トレを提供しています。
なぜ自主トレで回復するのか・・・
根本的な問題である脳の問題に対して「脳と手足の神経の繋がりを作るリハビリ」を根源に作った自主トレメニューだからこそ「改善する」がついてきます。
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今よりも10歩も20歩も先の自分になるためにも、使えるものは何でも利用しましょう。
内容は大きく分けて3つです。
☑︎ 病態、症状の理解
☑︎ 病態、症状の原因
☑︎ 自主トレメニュー
となっています。
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ぜひ、使って見てください。