半側空間無視[CBS検査について]
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
「半側空間無視の評価:CBS検査」について解説します。
※ 引用、参考書籍
CBSとは?
BITのように、机上の検査ではなく、半側空間無視患者の生活障害(ADL)を観察して評価するスケールとして「Catherine Bergego Scale(CBS)」の日本語版があります。
CBSは、「評価者の観察」に加えて「患者の自己評価」を行う点が特徴で、両方の得点を比較することで『半側空間無視の病識失認』を確認することができます。
CBSの欠点としては、観察に基づく質的評価ツールになるため、評価者の潜在的なバイアスや主観性に影響される可能性があります。
そのため、評価者にも評価の経験値を積み重ね、評価の質を高める必要があります。
CBS:評価項目
CBSの評価項目は 10 項目の日常生活動作から構成されています。
☑︎ 整容
整髪または髭剃りのときに左側を忘れることはありますか?
☑︎ 更衣
左側の袖を通すとことや、左側の履き物を履いたりすることが難しいと感じることはありますか?
☑︎ 食事
食事の時に、左側にある食べ物を食べ忘れるはありますか?
☑︎ 食後
食事の後、口の左側を拭くことを忘れることはありますか?
☑︎ 左側への注意
左側を見ることが難しいと感じることはありますか?
☑︎ 身体管理
生活で左半身の管理を忘れてしまうことはありますか?
(例:左腕を肘掛けにかけるのを忘れる、左足を車椅子のフットレストに置くのを忘れる)
☑︎ 音への管理場面
左側からの環境音や左側から声を掛けられた時に、気付きにくいようなことはありますか?
☑︎ 空間への注意場面
歩いていたり、車椅子を駆動している時に、左側の家具やドアなどにぶつかってしまうことはありますか?
☑︎ 移動場面
歩くのに慣れた場所(居室やリハビリ室など)で左側に曲がることが難しいと感じることはありますか?
☑︎ 物品探索場面
部屋や風呂場で左側にある物をうまく見つけられないことはありますか?
CBS:方法/採点
日常生活動作(ADL)の実施状況について、対象者と観察者それぞれの立場から評価を行います。
10 項目の設問に対して、半側空間無視の程度に基づいて 0 ~ 3 の4段階で判定をします。
CBSの得点範囲は 0 ~ 30 点となります。
評価項目となる 10 項目のうち麻痺などの影響で実施することができない項目がある場合には、施行可能な項目の平均点を割り当てて合計点を算出します。
CBS:カットオフ値
CBSの得点範囲は 0 ~ 30 点となります。ADLの項目ごとの評価も有効ですが、合計点によって半側空間無視の症状の総合評価を行うこともできます。
軽度の無視では、常に右の空間から先に探索し、左の空間に移るのはゆっくりで、躊躇しながらである。時々左側を見落とします。
中等度の無視では、はっきりちとした恒常的な左側の見落としや、左側への衝突を認めます。
重度の無視では、左側を全く探索できないです。
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