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反張膝を読み解く『支える感覚の問題』

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…
脳卒中後の支える感覚の誤学習」について説明します。

はじめに

反張膝は…

本来支える為に必要な身体の動かし方が出来ない結果、代償として、痙性麻痺が出現したり、反張膝と呼ばれる「筋活動ではなく、骨と靭帯でロックした支持」が起きると考えられる。

その中で、脳卒中発症から身体が思うように動かせなくなり、関節固定の感覚を使って支える結果、反張膝が慢性化します。

脳卒中発症から反張膝が慢性化する流れ

そこを踏まえて、身体の支える感覚の誤学習を確認、修正する方法について考えていきます。

誤った身体の使い方とは?

はらリハでは「身体を頑張らずに使えるようにする」為のリハビリをお伝えしています。

なぜかというと、脳卒中後遺症の方の殆どが「身体を頑張って使う」ことで、身体の本来の動きを阻害しているからです。

脳卒中後の反張膝も例外ではありません。

反張膝の方は、麻痺側に体重を乗せる時に「膝裏を伸ばす感覚(ピーン)」を使って支えている場合が多いです。

この感覚で麻痺側を支えてしまうと、本来支える為に必要な太ももの裏や、お尻、お腹の筋肉が働きにくくになります。

なぜかというと…

反り腰の姿勢

反張膝の姿勢は「腰は反り、股関節がやや曲がった状態で姿勢を保持するため、全体的に前傾姿勢」になります。

この姿勢では、お腹やお尻、太ももの裏の筋肉は、身体の構造上、使いにくくなります。

なので、いくら筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージに時間を使っても、正しい身体の使い方を覚えなければ、歩く場面でトレーニングした部分が発揮されない為、リハビリや自主トレで効果を実感できません。

このパターンの方は非常に多く、リハビリあるあると言えます。

では、本来は「膝裏をピーンとする感覚」は、支える時に使わないはずなのに、なぜ、脳卒中後遺症の方は、この方法を選択してしまうのでしょうか?

入院中のリハビリが問題かもしれません。

発症時と退院時の違い

脳梗塞や脳出血発症時は、退院時と比べて、脚が動かない感じが強い為、「感覚に意識を向けるより力を入れる方に意識」が向くことが多いです。

力を入れる方に意識を向けると、筋肉を使うより、骨や靭帯でロックしたほうが固定しやすいことを学習できるので、反張膝での支えとなります。

その結果、病院で「膝裏を伸ばす感覚」で支える方法を覚えてしまい、本来の脚の使い方が分からない為、退院後、毎日自主トレに励んでも、反張膝を使った歩き方が変化しないのはこのためです。

では「膝裏をピーンとする感覚」で支える方法から抜け出す為に、何をすればいいのでしょうか?

答えは…

足裏の感覚に意識を向ける

です。

「膝裏をピーンとする感覚」ではなく「足裏の体重の感覚」が大事です!

先の話では、脳卒中後遺症の方は「膝裏をピーンとする感覚」を使いますが、元々はこの方法を使いません。

本来は、床反力という物理の法則を使うことで、足裏から体重を感じ、その感覚を使って身体を支えることが出来ます。

※ 詳しい床反力について以下のリンクを参照ください。

床反力について簡単に説明すると…

立位や歩行時に、麻痺側に体重を乗せる時、必ず床に体重が乗ります。その乗った体重と同じ力が床から跳ね返ってきます。跳ね返ってくる力を利用することで、人は重力の中で立位や歩行が出来ます。

この感覚を受け取るために、足裏の体重移動を感じる必要あります。

足裏の体重に偏りがありませんか?

先ほどの画像でも見て分かるように、反り腰と膝が過度に伸びた状態により、反張膝の方は「踵重心」になりやすいです。

踵で体重を支えると、膝関節は曲がらなくなります。

試しに、非麻痺側や家族で実験してみて下さい。

踵に体重を乗せた状態で膝を曲げようとすると、膝が「ガクッ」となると思います。

また、脳卒中後遺症の場合は、つま先に体重が掛かり過ぎる場合もあります。

いわゆる、内反尖足です。

この場合も反張膝を起こしてしまいます。

足裏の体重を感じる

非麻痺側では、足裏全体に体重が乗っている感覚が分かると思いますが、麻痺側はどうでしょうか?

普段、足裏の体重移動に意識を向けていない方は、なかなか難しいと思いますが、まずは感じる事が大切です。

先も述べた通り、足裏の体重に意識を向けると、脳卒中後遺症の方は、踵やつま先など、足裏は偏った体重移動の場合が多いです。

理想は「外くるぶしの真下に体重を乗せ、足裏全体が着く状態で支える」が望ましいです。

まずは、足裏の体重移動に意識を向けるところから始めましょう。

まとめ

今回の記事をまとめると…

片麻痺の反張膝では、麻痺側を支える時に「膝裏を伸ばす感覚(ピーン)」を使っている。

この方法では、本来支える為の身体の使い方ができない為、歩行の効率性が低下したり、転倒リスクが上がる、二次的合併症の出現など、様々なデメリットが生まれる。

それを、改善させる為には、「足裏の感覚」に意識を向けて麻痺側を支える必要がある。

片麻痺の反張膝では、踵重心orつま先重心になりやすく、どちらか一方に偏ってしまう。

この偏りを無くし、足裏全体で支える事を覚える事が出来ると、反張膝にはならない。
ということです。

おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございます。

はらリハでは、自費リハビリを受けたいが、金銭的に難しい方に向けて、有料の自主トレメニューを販売しています。

そもそもの話をすると脳卒中後遺症の根本的な問題を解決するためには筋肉トレーニングだけでは不十分です。

なぜなら…

根本的な問題は『脳』にあるからです。

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