日本版リバーミード行動記憶検査（RBMT）について
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
「RBMTの方法／採点／解釈」について説明します。
はじめに
RBMTは『言語／視覚性記憶検査』を評価する神経心理学検査の１つで、日常生活に類似した状況で検査が行われます。
課題には、人の名前を覚える／約束や用件を覚える／道順を覚えるなどがあり、記憶障害がどのような種類の日常課題に現れやすいかを推測しやすくなります。
また、障害の時間的変化を追うことにも適しており、11種類の下位検査で構成され、そのうち3種類は直後／遅延検査で2回使用されますl
加えて、4種類の並行検査が用意されていることから、繰り返しの検査による練習効果を避けることもできます。
検査の構成
１&２）姓名
→顔写真を見せ、姓名を伝え、覚えてもらい、遅延後に再生させます。
３）持ち物
→被験者の持ち物を１つ出してもらい隠し、検査終了時に持ち物の返却を要求させます。
４）約束
→20分後にタイマーをセットし、タイマーがなると決められた質問をします。
５）絵
→絵を呼称させ、遅延後に再任させます（見たことがあるかどうかを確認）
６）物語
→短い物語を聞いてもらい、直後再生／遅延再生させます。
７）顔写真
→顔写真を見せ、性別／年齢を判断させ、遅延後に再任させます（見たことがあるかどうかを確認）
８）道順
→部屋の中で一定の道順を覚えさせ、直後と遅延後に被験者にたどらせます。
９）用件
→８で道順をたどる際に設定される用件について記憶させます。直後、遅延再生で用件をじっっこうするかチェックします。
１０&１１）見当識と日付
→日付／場所／年齢などについて尋ねます。
検査の方法
【実施前準備】
◯ 患者の年齢／県知事の名前／総理大臣の名前を事前に確認する
◯ ストップウォッチ／タイマー／ボイスレコーダー／患者の持ち物
※ 1回目A /2回目B /3回目C /4回目Dの順番で行うこと！
以下、検査の流れを書いているので、繰り返し同じ番号が出てきます。
１&２）姓名
用具：顔写真（1枚提示）
方法：こここでは覚えてもらうだけで、提示後は写真を机の上に伏せておく
３）持ち物
用具：患者の持ち物
方法：患者の持ち物を受け取り、検査後に「返して下さい」と言うことを覚えてもらう
※ トラブルに繋がる可能性のものは×
４）約束
用具：タイマー
方法：ここでは覚えてもらうだけで、タイマーが鳴った時に約束を言ってもらう（20分）
５）絵
用具：絵カード（1〜10）を10枚、ストップウォッチ
方法：ここでは覚えてもらうだけで、カードの提示は5秒ずつ
ここまで、１）〜５）は覚えてもらい、以下から検査スタートです。
６）物語（直後）
用具：テープレコーダー
方法：短い物語を読み、その直後にどれだけ覚えているかを聞く
採点は「／」で囲まれていた25の内容を確認
・同一、それに近い同意語：1点
・部分的に正しいか、類義語：0.5点
５）絵
用具：絵カード（11〜30）20枚
方法：先ほど見た絵があるか、ないかを確認する
※前に提示したカードは裏面の数字の上に小さい数字がある
採点は正しく答えた数から肯定誤反応数（見てないのに見たと答えた）を引く
７）顔写真
用具：顔写真（小）5枚、ストップウォッチ
方法：写真を覚えてもらうが、提示として「男か女か／40歳以上か以下かについて教えて下さい、これは後で思い出しやすくする為です」と言ってから、1枚ずつ5秒ずつ見せる
８）道順（直後）＋用件（直後）
用具：封筒
方法：椅子→ドア→窓→机の順番に移動してもらう
１０）見当識＋１１）日付
方法：１０問の質問を以下の順序で行う
年／月／曜日／日付／場所／市／年齢／生まれた年／県知事／首相
４）約束
方法：約束したことを思い出してもらう
※ 時間が余っている場合は、タイマーがなるまで会話をする。
６）物語（遅延）
用具：テープレコーダー
採点は「／」で囲まれていた25の内容を確認
・同一、それに近い同意語：1点
・部分的に正しいか、類義語：0.5点
７）道順（遅延）＋用件（遅延）
用具：封筒
方法：椅子→ドア→窓→机の順番に移動してもらう
１&２）姓名
用具：顔写真（1枚提示）
方法：提示していた写真の姓名を答えてもらう
３）持ち物
方法：検査は終わりです、と伝えた時に持ち物を返して下さいと言えるか。
検査の採点と解釈
【採点】
① 素点
→ 各項目の得点（点数配分が異なるため比較はできない）
② 標準プロフィール点
→ 0点(不良)／1点(中間)／2点(良好)の3段階に評価（24点満点）
③ スクリーニング点
→ 健常範囲か、否か、大まかに知る（12点満点）
この3点で記載します。
カットオフは…
☑︎ 39歳以下：スクリーニング点が7点以下／標準プロフィール点が合計19点以下
☑︎ 40〜59歳：スクリーニング点が7点以下／標準プロフィール点が合計16点以下
☑︎ 60歳以上：スクリーニング点が5点以下／標準プロフィール点が合計15点以下
おわりに
ここまで読んで頂きありがとうございます。
はらリハでは、自費リハビリを受けたいが、金銭的に難しい方に向けて、有料の自主トレメニューを販売しています。
そもそもの話をすると脳卒中後遺症の根本的な問題を解決するためには筋肉トレーニングだけでは不十分です。
なぜなら…
根本的な問題は『脳』にあるからです。
脳の問題を解決するには「脳と手足を繋ぐ神経」を回復させる必要があり、そのためには「脳の可塑性」が重要になります。
ここでは…
『脳の可塑性を考慮した自主トレーニングメニュー』を作成しています。
回復を諦めていない方、身体の動きが伸び悩んでいる方、新しいリハビリを体験したい方に向けた記事です。
興味のある方は、たった500円で体験できるので、ぜひご利用下さい。