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小学生とMTG対戦を楽しむ方法【おうちMTG考察】
2024.11.23更新
MTG(マジックザギャザリング)の対戦を小学生と楽しむためには、どうすればいいのか。実体験をもとに考えたこと、感じたことを書きました。主観が多いに含まれていますし、事例が1つだけなので、どこまで汎用性があるのかわかりません。あくまで一例として、何かの参考にしていただければ幸いです。
方法その1「プレイヤーの育成」
MTGの対象年齢は“13以上”となっているので、13歳=中学校1年生レベルの学力が必要です。
参考までに、某有名ゲームのカードゲームは対象年齢9歳以上。
中学校1年生といえば“正負の数”。MTGで対戦するにはこの“正負の数”を理解している必要があるのではないかと思われる。
確かにMTGには“−X/−X”というような、負の数で表現された効果を持ったカードがあるので、対象年齢13歳なのかと思っていたが、どうもそれだけではないようだ。
幼稚園生だった頃に《クリーチャー》と《土地》だけのデッキで対戦したら、とても楽しそうだったが、遊んでくれたのは2回だけだった。この頃は絵がつまらないのかな?と思っていた。
MTGは厳しいと判断し、某有名ゲームやそのアニメにハマっていたこともあって、そのカードゲームを購入。小学校1年生ではあったが、某学習システムにより、かけ算を使いこなし、9歳=小学校3年生レベルの算数ができたので、問題なく対戦ができた。ただ最初はめちゃくちゃ弱かった。算数のレベルが上がるにつれてプレイも変化し、分数を使いこなせるようになったあたりで、対等な対戦ができるようになった。デッキも自分で作れるようになって、最後の対戦は、相手のコンボで瞬殺された。
その後、カードの種類を絞ってみたり、枚数を減らしてみたり、あれこれ工夫をして、小学生とMTGを楽しめないか挑戦してみたが、あまり長続きはしなかった。工夫した中で、1番長続きしたのは、30枚で、カードの種類が、《クリーチャー》と《土地》と《ソーサリー》だけというデッキの対戦。5色のデッキを作って、お互いがその中から選んで遊んだ。それでも20回くらいしかできなかったと思う。
それから待つこと2年。小学校3年生にして、とうとう中学校1年生レベルに到達。満をじしてのMTG対戦。楽しめてます。中学校2年生レベルに達した今は、こっちがやられることの方が多いかも。
やってて感じたことは、“正負の数”というよりも、正負の数を計算できる能力がMTG対戦を楽しめるポイントなのではないかということ。俗にいう“ワーキングメモリー”ってやつじゃないだろうか。対象年齢9歳以上のTCG(トレーディングカードゲーム)と比べて、目立つのは《インスタント》の存在なんだけど、それだけでなく、《クリーチャー》の戦いも、1対1じゃないし、ダーメージ計算も毎ターンやり直しで、基本暗算しなければいけないし、それも複数なんて当たり前だし、大人だって頭が痛くなることがある。それに耐えて、楽しむためには中学校1年生レベルの数学が解ける能力が必要だったということなんだと思う。
さらに、勝つためには、ダメージを与える計画を立てたり、相手の《インスタント》を予測したり、いろんな可能性を考える必要がある。正直、中学校1年生レベルはスタートラインで、本当に楽しくなるのはさらに上のレベルが必要だったんだと思う。
方法その2「デッキの構築」
最初は“わかりやすいカード”+“わかりやすいデッキ”から
最初は自分でデッキを作る楽しみを覚えてほしいという願いもあって、色は緑と赤にしぼり、わかりやすいカードだけを選んで、専用のカードケースに入れて、手渡した。一生懸命作っていたが、結局勝てるデッキにはならず、あっちもこっちもあきらめてしまい、自作デッキでの対戦は続かなかった。1ヶ月くらいがんばった。
ある時、ふと思い立って、『緑赤緑信心ストンピィ』を作成。詳細は以下のリンクを参照。
使い方をレクチャーして、対戦したところ、とても楽しそうに使ってくれた。
ポイントは“わかりやすいカード”と“わかりやすいデッキコンセプト”。このデッキはカード1枚1枚の文字量、文章量が少ないものがほとんどで、かつ、どうやって勝つのかがはっきりしている。その代償として、対策カードが1枚も入っていないので、相性が良い時と悪い時で、勝敗がはっきり分かれる仕様になっている。デッキに慣れるまでは、このくらいが遊びやすいようだ。
デッキには大人の叡智を存分に盛り込む。
もうひとつポイントがある。それは強さを妥協しないことだ。わかりやすいだけでなく、強いカードを入れる。シンプルで強いコンセプト、コンボのデッキにする。最初はコモンに限定したり、安いカードで誤魔化したりしていたが、こっちがつまらない感じになってしまった。むしろ高額レアや禁止カードを惜しまずに入れた方が対戦が熱い。
要望に応えよう。
その後、デッキを増やしてほしいと要望され、『赤単ゴブリンバーン』、『青単ティンカー』を作成。現在はさらに2つ増え、『白単8パワーアップ』と『黒単ゾンビデーモン手札破壊』のデッキ5つ体制になっている。詳細は以下のマガジンを参照。
気分とか、こっちのデッキに対応して、5つのデッキの中から1つを選んで相手をしてくれている。
また、難しくて使えないカードがあったり、カッコイイから使いたいカードがあったりするので、そんな要望に応えながらデッキを調整し、モチベーションが上がるようにしている。
方法その3「対戦方法」
相手は所詮小学生、どこまでも優しく対応しよう。所詮とか言ったら怒られるか。まあ心持ちのことなので、このくらいの気持ちで、ということで。
手札はオープン
本格的に始めたばかりの時、相手の知らないであろうカードをいきなり出して、「えー、そんなの知らないよ。」と言わせることにむなしさをおぼえたので、しばらくは手札を全て見せてプレイした。手札を見せて、相手にカードの効果をレクチャーしながら、それでも勝った時はとても楽しかった。相手も素直に「やられたー。」と楽しそうだった。
巻き戻しはどこまでも
プレイミスは誰にでもある。小学生ならなおさらだ。大会では、それをしないことが重要で、そこが強さなのだと思うが、小学生相手にそこを突っ込んでもしょうがないし、正直むなしい。大人気ないとも言えるか。だから、可能な限り“巻き戻し”に対応する。巻き戻しとは、プレイをさかのぼって、やり直しをすること。あっちの要望はもちろん受け付けるし、状況によっては、こっちから巻き戻しをしてあげることも可。ひどい時は、まるごと1ターン、こっちのドローしたカードまで戻して、巻き戻したこともあった。その時の模様は以下のリンクを参照。
初めてのデッキは内容説明から
相手はどんなカードやデッキがあるのか知らないので、相手にとって、初めてのデッキを使う場合は、デッキを広げて、カードやデッキのコンセプトを説明するところから始める。初めてじゃなくても、忘れているようなら説明し直してあげることもある。相手が『カウンターデッキ』だった場合は、どのカードをカウンターするべきなのかを教えてあげるのも大切なことだと思う。この説明で理解が得られないと対戦がつまらなくなってしまうように感じる。対戦の状況から理解できてない様子がうかがえたら、詳細を確認したり、デッキを構築しなおしたり、理解できるようにしてあげたい。相手の知らないカードで裏をかくより、相手の理解しているカードで裏をかいた方が楽しいだろう。コンボも同様か。ミステリと同じだ。
ただ最近は、この説明を嫌がるそぶりを見せるようになった。わからないことが楽しいと感じるレベルになったか。あとは対戦を今後も続けることが前提としてあるので、そんな気持ちになったのかもしれない。
まとめ
小学生とMTG対戦を楽しむには以下の3つが大切です。
・小学生に、中学校1年生レベルの数学がとける能力をつける。
・最初のデッキは、わかりやすく最強のものをわたす。
・相手のことを最大限に配慮したプレイを心がける。
誰かの何かに、役に立ったら光栄です。
余談
シンプルで強いカードが子どもたちの心をつかむような気がしますし、MTGの入口を広くするように感じます。