再び、無職①
こんにちは。TERRAです。
タイトルの通り、私は先月をもって前職を辞め、無職になりました。
今年の4月に転職してから、わずか6ヶ月で退職となってしまいました。今日はそのいきさつについて書きたいと思います。
私が働いていたのは森林組合で、私は林業の現場で作業をする職員でした。
林業は他業種と比較しても突出して労働災害、死亡率の高い業種であり、私自身もそのことは理解しているつもりでした。
当然、現場では常に安全第一を心がけ、ケガや死亡事故につながるような行動はしないよう、緊張感をもって作業をすることが求められました。
現場では、万が一の危険な事態に素早く対応できるようにするため、大きな声を出すように指示されました。
林業の現場ではチェーンソーや重機が常に稼働しているので、有事の際はその音に負けないくらいの大きな声で注意を促す必要がありました。
しかし、私はそれに苦手意識を感じてしまい、咄嗟の大声がなかなか出せずにいました。
声が出ないのなら笛を吹くように、とも言われましたが、他の作業者の注意を惹くような大きな音が出せず、いつも注意されてばかりいました。
班長からは、大きな声を出せない者にチェーンソーは使わせられない、と言われ続け、結果的にそのまま現場でチェーンソーを使うことなく退職することになってしまいました。
これ以上は林業を続けられない、と思った理由は、これだけではありません。ほかの理由については、別の記事に書きたいと思います。
幸いなことに、6カ月の就業期間を通じて、もう少しで死んでいたかもしれないような危険な状況に直面することはありませんでした。
しかし、本当にその時になれば、全身全霊の大声が出ていたのではないか。自分の中のどこかに慢心があり、それが緊張を妨げていたのではないか。仕事を辞めるという決断をするまでは、このことで何度も悩みました。
それでも、私はそこでもうひと踏ん張りするという選択をしませんでした。それは、「自分を変えたくない」という気持ちから来るものでした。
自分とは物静かでおとなしい性格であり、大きな声を出すことは苦手である。必要とあらば出せるように努力はするが、その限界はいわゆる「全身全霊の全力」よりもはるか下にあり、それ以上の自身の変革は極力避けたい。このような気持ちが、私の中にあることを自覚しました。
要するに、自分という人間の性格を自分自身で決めつけてしまい、その枠から大きくはみ出すことなく生きていきたい、という気持ちです(自分の性格を大きく変えるということは、自身のアイデンティティの喪失と同義であるように感じてしまうのです)。
仕事を選ぶ際には、誰しも譲れない条件がいくつかはあるものでしょう。私にとってそれが「大声を出すことがない仕事」であるなら、林業は向いていなかった、とあきらめて、すぐ切り替えることができます。
しかし、今の私は結局のところ、やりたくないことから逃げているだけではないか、と不安になる気持ちもあります。
自分に合った仕事を探すことは大切ですが、多少なりとも私自身が仕事に適応する姿勢を見せなければ、私の性格と職業のマッチングは困難になるでしょう。
過ぎたことを悔やんでも仕方がないことはわかっていますが、私は今この点において、今後安定した仕事に継続して就くことができるのか、不安を感じています。
やるべきことがわかっていても、そのための一歩が非常に重い。
自分を変えるということはこれほど難しいことなのかと思い知った経験でした。