逃げること
わからないことだらけだ
何がわからないかがわからない
なぜそれだけでわかるのかがわからない
自分が本当にわかっているのかがわからない
こんなに辛いんだから
体の一つや二つくらい 壊れてくれてもいいのにな
なんて 恵まれた人生
手を失った人 脚を失った人
目を失った人 耳を失った人
大切な人を失った人
それでもみんな前向きに 素晴らしい生き方をしているのに
この恵まれた人生から 逃げ出したいと思ってしまった
自分の情けなさを
病気のせいにして逃げ出したい
もし本当に病気だったら
もう今の自分には戻れないのかな
自分の不甲斐なさを
障害のせいにして逃げ出したい
もし本当は障害じゃなかったら
自分はただの無能と認めざるを得ない
なんて みじめな人生
どうしても辛いときは逃げてもいい
逃げた先の人生に責任を持てるなら
いつ逃げるか
どうなったら逃げるか
何をされたら逃げるか
どうやって逃げるか
そんなことを考えているうちは 逃げる必要はないのだろうか