ムテキ♡
原作 梵天彪雅
大阪府大阪市淀川区十三
早朝…
ココは、つばめ通りにある一軒家…
陽葵(ひまり)『はい、ご飯作っといたから置いとくわね』
菊蔵『……ああ…』
陽葵は御歳、80歳になるババアだ。
化粧が兎に角、ケバい!ケバさ120%と言っても言い過ぎではない!
お世辞にも美人とはいえない容姿だった。
菊蔵は今年で30歳になる陽葵の旦那で陽葵が60歳の時に20歳になりたての菊蔵からプロポーズして結婚した40歳も歳が離れた大恋愛婚だった。
〰︎(回想)〰︎
菊蔵『陽葵さん!僕はお母さんがいない!
貴方は私の感じた事の無い母のような人だ
必ずいつまでも綺麗な貴方でいられるように
頑張るから僕と一緒になってください!』
陽葵『お、お母さん………💦
でも、私おばあちゃんよ私に恋するなんて…馬鹿な事はおよし!』
菊蔵『歳なんて関係ない!好きだ!』
︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎
陽葵の心臓は並大抵の鋼鉄さでは無かった…
陽葵『どう、あたしの美しさに道行く男どもが道をあけるわん🎶』
赤鎧の亡霊『ば、化け物‼️ひっ!ひぃぃー』
陽葵『あら💢失礼しちゃうわ‼️ あーたに言われたくないのよ‼️』
あまりの形相に幽霊ですら道を譲るほどであった……しかし、陽葵も薄々、自分は不細工なのでは無いかと…内心感じていた…
陽葵の自宅
深夜 観音像を磨いてまじまじと見つめる菊蔵……何かを祈っている。
翌朝
陽葵『ほら、あーた!早く起きて!』
菊蔵『ああ?ああ……』
朝食中
陽葵『……!?、え?あーた、ちょっと老けたんじゃない?』
菊蔵『……ああ……』
陽葵には菊蔵は40歳位に老けたように見えた
自宅を出る陽葵、いつもの様にケバい化粧、衣装を着て街を地獄徘徊する
犬山吉高『やぁ!ネェさん可愛いね!どう、ちょっとこの後、住吉大社あたりで野菜の煮物つまみに行かない?!』
いきなりナンパされて困惑する陽葵。
陽葵『え!っちょ!何!でも、ジジイには興味ないから!!離れてよ!!』
山南辰哉『チュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパチュパ』
陽葵『ジジイが!ジジイが迫ってくるいやああ!!』
自宅に帰り菊蔵にジジイの群勢に群がられたことを愚痴る陽葵
陽葵『ちょっと聞いてよ!あーた!
私だって歳の割にこんな見てくれしてるから私は私で自分の事、不細工ってわかってるの! なのに、ジジイどもが私を馬鹿にして好きだって群がってくるの! どう思う!嫌がらせよね!?』
菊蔵『……ああ……』(少しニヤつく)
陽葵『ちょっと何、笑ってんのよ!』
深夜に菊蔵が観音像を磨く光っていく観音像を見つめる…
翌朝
陽葵『なんか今日!身体の調子凄く良いんだけど!……ねぇ、あーた身体大丈夫?え?!
髪全部白いじゃないの?!え!?どうしたの?』
菊蔵『……ああ……』
陽葵『ちょっと急に何!色気付いちゃってEXO(エクソ)のベクヒョンにでもなったつもり笑、もうやめてよ笑 あーた笑』
陽葵『ちょっと出かけてくるわね🎶』
菊蔵の姿は60歳位に老けているように見えた…
十三シアターセブン通り商店街
阪田尚輝『お、、おい!ヤベェ格好したネェちゃんが歩いてるぞ!』
亮辺江呂『なぁ!ネェちゃん俺と良い事しようぜ!』
陽葵『何!何なの!若い男が群がってくる!
悪い気はしないわねー!』
道端優『チョット‼️何、あのおばあちゃん‼️ありえないんだけど!』
本松純一『……ごめん!優、俺たち別れよ』
道端優『何言っての!?純!ねぇ、嘘でしょ純!!』
本松純一『ねぇ、お姉さん俺と付き合おう!』
本松純一は大阪でも指折り数えられるトップレベルのイケメンだった。
陽葵『あら〜🎶可愛い子、悪くないわね!
行きましょう!』
道端イスタンブール優『なんなのあのババア!どっからどう見てもバケモンじゃない!!許せない!』
陽葵が自宅に帰る
顔中にキスマークで顔が真っ赤に染まってる
ある意味、ホラーに見える。
陽葵『あーた、ごめんね!あーたとは今日でお別れよ、私このイケメンと暮らすことにしたから🎶 さよなら』
菊蔵『…ああ……』
陽葵『…何なのよ!あんたは!ああ、ああ言ってつまらないのよ!もう、うんざりよ💢』
バタン!
扉が閉まり菊蔵の目から一雫の涙がこぼれ落ちる
深夜、観音像を磨く菊蔵、観音像はこの世のものと思えないほど光輝いている……
それはまるで生命が最期の命を燃やし尽くして光輝くように……
菊蔵が観音像を抱いたままうつ伏せに倒れる。
翌朝、本松純一のマンション 布団の中
本松純一『今日から僕のマイスィートハニー
!』
本松が陽葵の身体を自分の向きに回し顔を除き込む
本松純一『ぎゃ!!バ!ババババ、バケモン!』
陽葵『なぁに?』
本松純一『え!?あれ?陽葵さんアレ?今、バケモンいなかった?』
陽葵『何?バケモン?そんなんいるわけないじゃない笑 コーヒー入れるわね笑』
本松純一『……???…』
道端優『あいつの自宅、ついに突き止めたわここね! チョットアンタの腕でチャッチャッと開けちゃってよ!』
石川五助『チョット!優さんコレ他人の家やないですか!こんなん開けたら俺パクられますやん‼️』
道端優『知ってんのよ、五助!あんた、チョイチョイここ、開けてるらしいじゃないの笑
大方、アンタもあの陽葵ってババアが好きなんでしょ!ほら、早くあけな!通報するよ!言う通りにしなきゃ地獄堕ちるわよ!』
石川五助『そんなめちゃくちゃな…殺生な…
でも、優さんババアって。 あの人そんな年に見えませんよ?』
道端優『それよ!きっと何かカラクリがあるに決まってるんだから……じゃなきゃ、純があんなババアと一緒になるなんて考えられないから……』
爪を噛みながら扉が開くのを待つ道端優
カンカンカン
陽葵『ちょっと前の家に忘れ物しちゃって、』
本松純一『うっかりしてるなぁ、可愛いよ陽葵🎶』
道端優『ちょっ!おい!五助!!早く開けな!』
石川五助『あ!開いた!』
道端優『早く入るわよ!』
石川五助『あ!優さん!待って!』
道端優『何?このジジイ…やだ…観音像抱きつ抱えて笑って気持ち悪い…』
道端優が菊蔵が抱いていた観音像を取り上げ手に持っている。
陽葵『アンタ達!何やってんの!』
本松純一が陽葵の後ろから覗き込むように様子を伺っている。
道端優『ちぃ!逃げるよ五助!』
道端優『こんなもん!』
観音像を投げる道端優。
観音像が光を失う。
本松純一『ひぃ!ひぃぃ!バケモノ!!』
石川五助『え!え?なんで…美人のネェさんがババア、、バケモンに!!いやああぁ!』
道端優『何を今更、、良いからずらかるよ五助!!』
石川五助『はぃぃぃ!』
本松純一が壊れ破れた観音像の一部を持って陽葵の後頭部を叩こうと振りかぶる。
間一髪、菊蔵が陽葵を庇う。
菊蔵の額から大量の血が流れる。
本松純一『ひぃぃぃぃ!ひっ!』
本松純一振り被った観音像の一部から手を離し、後退りしながらアパートから逃げ去る。
陽葵『菊蔵さん!なんで!私は貴方を捨てたのに!』
倒れ込み陽葵の膝の上に菊蔵の頭が乗る。
その菊蔵の姿は最早、実年齢の30歳ではなく、90歳の高齢男性になってしまっていた。
菊蔵『陽葵さんには出会った頃の綺麗で明るいままでいて欲しいから、自分の生命を渡す観音像を骨董市で見つけて毎日磨いたんだ…』
陽葵『え?……どういうこと……』
菊蔵『光輝いていく観音像、綺麗で明るく話す陽葵さんを毎日、見てて僕は幸せだった…
人生の最期に神さまが僕の前に陽葵さんを連れて来てくれた……こんな幸せな最期はないよ……笑』
陽葵『ごめん!菊蔵さん!私、間違ってた
私にとっての幸せは貴方と一緒に笑顔で暮らすこと……ねぇ…ねぇ…』
菊蔵『先に逝くからね…虹の橋の前で陽葵さんを待ってるから』
息を引き取る菊蔵
陽葵『いやぁぁー!泣』
〜〜1時間後〜〜
虹の橋前
菊蔵『ねぇ!なんで!なんで!もう来るかな! あのさ、空気読んでよ!』
陽葵『ごめんなさい🎶うっかりしてショック死してかなり早く来ちゃった💦』
菊蔵『はぁ……ま、いいか!陽葵さんらしくて笑』
陽葵『ごめんね💦』
菊蔵『じゃあ、行こうか^_^』
陽葵『うん』
手を繋いで虹の橋を渡り天国へ向かう2人
完
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