桃太郎
原作 梵天彪雅
はるか昔、異国から旅をしていた漁船が嵐に巻き込まれ難破し、、、黄金の国クナ国の一島に辿り着いた……
彼らの姿は身体が大きく、眼は蒼く、髪は金色であった、、見る者が違えば頭に角でも生えてるかのように見えたが……
優しい顔をしていた…
異国より来たりしその中年は初めは言葉が伝わらなかったが、、、
異国の中年『ワタシはここから遥か西の国よりキタ……
アナタ方に危害は加えない、アンシンして』
権『話せるのか……危害なんて加えるなんて最初から思ってねぇさ』
里『身体が山のようにおっきくて最初は腰抜かしてたでねぇーか権!』
権『バッキャロイ!別にびびっちゃいねー』
タロ『で、オッサン!名前、なんてだい?』
異国の中年『シュートン…』
タロ『シュテン?』
異国の中年『いや、シュートンだから💦』
里『シュテン!これから、宜しくな!』
シュテン『はぁ〜、ま、まぁ、いいか💦』
シュテンと呼ばれたその者はその大きな体躯を活かしてシュテンを助けた民達の仕事を手伝い、シュテンの国の色々な話をしたり民が知らぬような様々な技術を教えて行った。
権『シュテン!』
シュテン『なんじゃあ?ゴン!』
権『皆んなで考えたんじゃがオマエ、ワシらの長になってくれんか!』
シュテン『ワシでええんかぁ?ワシ他所モンだで……』
里『そんなデッケェ身体して小せぇ事、言うなって! ワシら、シュテンに長になって欲しいって言ってんじゃ!』
タロ『頼むよ〜シュテンの旦なぁ〜』
シュテン、西方角の空を仰ぎ、、暫くすると
両手で挟み込む様に自分の顔を叩く
『バチっ!』
権、里、タロ『なんじゃあ?! どうしたシュテン?』
シュテン『…よしゃっ!自信はねぇーが、皆んなの為にがんば…る…がんばるか!』
権『ワシらも支えちゃる!安心せい!』
シュテン『お、おお💦』
数年後…シュテンと同様に異国から流れついた異国人の存在を知りシュテンのもと権、里、タロは多くの民と協力し合い彼らを保護して行き、、、民とシュテンの住むその小さな島は諸外国と貿易をし巨万の財を稼ぐ大国と呼べるような一大拠点を創り上げていた……
それは黄金の国、クナ国の王の耳に入る事となり、、
王『……他所モンが長の村があるそうだが…
チィ!目ざりじゃあ!
オオビコ!キビツノ!奪ってこい!』
オオビコ『父上!流石にそれは乱暴かと』
ギビツノ『オオビコ!甘いわ!』
オオビコ『しかしのぅ、ギビツノ彼らも生きる為にやっとる事じゃろうから他意は無いと思うんじゃ、じゃから先ずは対話を求めるべきじゃと思うんよ』
王『相変わらず、甘いのぅオオビコ!
じゃから儂は貴様に王位を継承出来んのじゃ!キビツノ!王家の金をふんだんに使って構わん!民を買収し内から崩して参れ!』
ギビツノ『は!私めの調略、ギビダンゴの策を使いまする、ご期待くださいませ!』
シュテンの国に入る為にシュテンの国に出入りする貿易商の猿丸、雉蔵、犬山らにギビツノは接近した。
キビツノ『ワシはクナ国の王族、ギビツノじゃ! 』
猿丸『おお!クナ国の王族様であられましたか!』
雉蔵『王族なる高貴なお方様がワシらの様な商人に何様でございましょう?』
ギビツノ『ワシらクナ国軍は王の命によりこの島の島民の抹殺を命じられておる』
犬山『な!?正気にございますか!この島の者がクナ国に反発した事などないではありませんか!』
キビツノ『まぁ、ワシも王も鬼じゃあないでお前ら商人の命だけは助けてやろうという話じゃ』
キビツノが懐からダンゴのように丸められた金塊を3人の前に出す。
ギビツノ『命も惜しいが金も欲しかろう?
商人だで当然だに……』
猿丸『ワシらに何をせよと?』
キビツノ『ワシらクナ国軍を島に入れてくれれば良いだけじゃあ…簡単であろう?
安心せい、これだけの軍勢じゃあ…奴らも抵抗はしまい… お主らは奴らを救った英雄になるんじゃあ』
雉蔵『返せってたってもう、返しませんぞ!』
キビダンゴを抱える雉蔵、犬丸
猿丸『雉!犬!端ない!…金はともかく、、シュテン様らが助かるというならば従いやしょう……じゃが!ギビツノ様!必ず死人を出さんと約束してくだされ』
キビツノ『安心せい…(ニヤニヤ)』
そうして、ギビダンゴなる賄賂にて猿丸、雉蔵、犬山の手によりシュテンの島内に入ったギビツノ、オオビコ率いるジパング軍は……
オオビコ『……ギビツノ…儂はこんなやり方は好かん…』
ギビツノ『王の命ぞ!オオビコ!貴様がこの軍の指揮を任されておるのだ!貴様がやるのだ!……それとも、王に歯向かう気か?』
オオビコ『島民を抹殺せい!一人残らずじゃ!』
同様し動きを止めるクナ国軍。
キビツノ『安心せい!貴様らが倒すのはこのジパングを脅かす鬼どもよ!ここは鬼ヶ島じゃ!化け物どもを倒せ!』
ギビツノの一声で一斉にクナ国軍が武器を持たぬ島民を次々と斬り殺していく
猿丸『キビツノ様!!話が違うではございませぬか!これでは……』
猿丸がギビツノに斬り殺される
キビツノ『うるさい!猿が!嘘も策の一つよ』
オオビコ『キビツノ!』
オオビコがギビツノを殴る
オオビコ『関係ない者は斬るな!貴様はそれでも誇り高きクナ国の王族か!?』
キビツノ『は?…はぁ、わかったわかった…大将首取れれば良いからの…さっさと長見つけるぞ!』
オオビコ『すまん……猿丸…』
シュテンがクナ国軍に一人で抵抗する
シュテンはオオビコ、タケヌカワ、タンバノ、ギビツノの王族四天王、相手に一歩も引かないタケヌカワ、タンバノがシュテンに斬り殺され、ギビツノが足を斬られると……
オオビコ『何と!これ程までの武芸者がいたとは……主とはこの様な形で相対しとうなかった……愚かな王ですまん……』
シュテン『なら、引いてもらえんかね〜、儂もこれ以上、人は斬りたくない……』
ギビツノ『だから甘めぇんだよ!デブビコが!』
ギビツノがオオビコを蹴飛ばし
権、里、タロを斬り刻み、瀕死に追い込む
キビツノ『眼の蒼く光る気味悪りぃ〜鬼が!ジパング兵と王族何人斬りゃあ止まるんだ!?』
シュテンが権、里、タロの前に立ち
ギビツノの刃の盾となる
シュテン『雉蔵!犬山!こいつら島に入れた事、許したるでぇ、権ら連れてこっから離れろ!』
権『何を言っとるシュテン、、儂ら運命共同体じゃあ、、死ぬときも…』
シュテン『うるせぇ!!ワシより先に死ぬな…守らせてくれ……やい!王族ども、儂の首くれてやるからアイツら追いかけるな!』
ギビツノ『は?!誰が鬼との約束なんか守るか!皆殺しよ!』
オオビコがキビツノを斬る……
オオビコ『約束しよう……』
シュテン『オンニキル…』
シュテンの首が刎ねられる…
こうして、桃太郎達は鬼ヶ島の鬼退治をし国を守ったそうな……
権、里、タロ、雉蔵、犬山はその後、シュテンの故郷である遥か西の諸外国に身を寄せ長生きしたそうな……
めでたし?めでたし?
完
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