桃太郎~鬼に拾われた英雄~
原作、脚本 梵天彪雅
鬼ヶ島の大虐殺から1年後
クナ国、宮中
??『オギャ!オギャーー』
側女『王様ーー!王様!…王様…皇子の誕生にございまする!』
王『お、おーー、麿の子が生まれたか!
ようやった!で、、男の子か?』
側女『……』
王『…チッ……違うのでおじゃるな……』
キビツノ『王!王の寵愛を受けておきながら男の子を生まぬ不届きな妃など腹の子ごと斬り捨ててしまいましょうぞ』
王『良かろう!キビツノ!そちに任す…』
キビツノ『は!』
驚いたタケヌカワがキビツノを王の間から外へ連れ出す
タケヌカワ『王! 早まってはなりませぬ!キビツノ来い!』
キビツノ『なんじゃ!』
タケヌカワ『良いから早よ来い!』
宮殿廊下
タケヌカワ『な、ならぬ!何を言うのじゃ、キビツノ!!』
キビツノ『相変わらずぬるいのぅ……貴様は…
王の子が不在となれば次の王位はワシらぞ…
王は今宵にでも我がキビツノ軍が攻め滅ぼす』
タケヌカワ『貴様…!王に…いや、、クナ国を滅ぼすつもりか!?』
キビツノ『……今更、、あのボンクラに誰が付いて行くか!』
キビツノ『考えてもみよ、昨年の鬼ヶ島の戦のことじゃ! ワシを裏切り手柄をとりおった
オオビコは鬼が守った民を見逃し処刑され、、、』
タケヌカワ『あの時はタンバノも戦で死んだが我らには何もくれなんだのぅ……しかし、よう、生きておったのぅ…キビツノ…ワシは貴様は死んだかと…』
キビツノ『確かに強いが所詮は甘いだけが取り柄のオオビコと鬼と言うても女の力じゃ儂は死にはせぬわ…!』
タケヌカワ『それより、いかがするつもりじゃ、妃と子は…?』
キビツノ『殺すに決まっておろう!明日からワシがこの国の王じゃ!』
クナ国 アマノハゴロモ海岸
側女『お方様、、早よぅ!早よぅ逃げましょうぞ!』
妃『わかっておる!はぁ、はぁ、』
キビツノ『逃すと思うてか!不届き者が!』
側女がキビツノに殺され、
妃がタケヌカワに殺される
タケヌカワが突如現れた権に斬られ
タケヌカワ『目が!目が!!』
タケヌカワが海岸の岩場から落下する
タケヌカワ『あーーーー!』
妃が抱えた子を抱き抱える
妃『わ、私の可愛い子……元気に……』
???『オギャ!オギャーー!』
権『あ、、安心せい、、ワシが育てちゃる…』
妃『……』
妃が息絶える…
権がアマノハゴロモ海岸に停泊させていた船に乗り西欧へ逃げる
キビツノ『あやつは………もしや、、』
ディアブル島
権『ゴリ!門を開けぃ!』
ゴリさん『権将軍!無事であられましたか!?』
ウルフ『将軍!今、開けやす!』
イーグル『で、その赤子は?』
権『……儂の子じゃ!』
ウルフ『ぷっ!グフゥ、、ハッハッハ!』
イーグル『冗談はよしてくだせぇ!将軍、女子にからっきしじゃねーですかい!』
ゴリさん『船旅で酔っちまいやしたか!?
つがいがいなきゃ子は生まれやせんぜ!?』
権『!!うるせぇ!儂の子ちゅうたら儂の子じゃ!!』
ディアブル島内 24年後
権『ゴホッゴホッ……』
権が倒れる
桃太郎(女)『親父!無理すんなよ!年なんだから!』
権『るっせぇ!目の前の軍隊にだけ集中してろ!』
目の前には皇帝キビツノの第一皇子ワカタケヒコノミコト3万の軍勢が
ワカタケ『父は先帝、コウレイ王を討伐した際、一族を皆殺しにせよとおっしゃられたが、、、かように戦を起こすこともあるまいて……』
ヒコサメマ『然りとて若、、ここはあの鬼ヶ島の生き残りが住む島ですぞ……いかがされるおつもりか…』
ワカタケ『私が1人で潜入して話をしてくる』
ヒコサメマ『な?!若は、仮にもヤマタイの第一皇子にあらせまするぞ!』
ワカタケ『まぁ、待っておれ!権は悪魔の如き強さだが民にはめっぽう優しいと先ほどの狼のような者が言っておったではないか!
野蛮な者ではなかろう!』
ヒコサメマ『否!立場をお考えになられませともうしておるのでございまする!』
ワカタケ『よっ!ハッ!よっ!』
ディアブル島の岩場を身軽に駆け上がっていくワカタケ
ヒコサメマが頭を抱える
ディアブル島内
桃太郎本陣
ワカタケ『其方が権将軍か? それにしても可愛いのぅ……』
桃太郎『な!?貴様何処から入った!』
ワカタケと桃太郎の殺陣。
桃太郎の攻撃が一つも当たらない
桃太郎がよろけた瞬間、ワカタケがお姫様抱っこで抱き抱える
ワカタケ『…やはり、美しい、、、其方やはり、女子じゃな…其方に剣は相応しくない』
桃太郎『な、な、、な、う、美しい、、』
恥ずかしがる桃太郎
ワカタケ『どうだ?私の妃にならぬか?』
桃太郎『な、な、、な
何を言ってる!!う、嬉しい……しかもイケメン!!いや!』
ワカタケ『いやなのか?』
桃太郎『あ!?いや、いやいやあやあやや、、いやじゃない!!……女として見てくれたの……初めて…でも、親父が…』
ワカタケ『親父……其方な父か、、もしや権将軍か?!』
桃太郎『そうじゃ!親父がそんなの許すわけないもん、、貴方の女に私はなりたい!…でも……』
泣きだす桃太郎
ワカタケ『……任せよ!私が其方の父に話をしようぞ、、戦う必要はもうないからの』
桃太郎『え、、そもそも、あなたは誰なの?』
ワカタケ『私か私は今まで其方らの敵であったヤマタイの第一皇子、ワカタケヒコノミコトで桃!其方の旦那じゃ!』
桃太郎『え!!』
権『話は全部聞かせてもらったぞ!!』
桃太郎『お、親父!』
権『娘はやらん!貴様には絶対やらんぞ!』
権とワカタケの殺陣
ワカタケが権の足に足を引っ掻け転ばす
権『……』
ワカタケ『もう、戦はやめよう…』
権『…ワシは其方らに好きな女子を殺された!奪われたんじゃ!娘まで取られとぅない』
権が泣きだす
ウルフ『権将軍!!桃ちゃんももう、24だ』
ゴリさん『独り立ちさせてやんな!』
イーグル『こんだけ強えーんだ!
将軍の代わりに桃ちゃん守ってくれるって!』
権『……うっせぇ!』
ワカタケ『…お父さん…私に桃さんをください。そして、もう、無駄な血はお互いに流したくないです… 』
権がワカタケの腹に正拳突きをするがワカタケは交わさず耐える
ワカタケ『安心して下さい……』
権『くそっ!連れていきやがれ!戦もしまいじゃ!』
桃太郎『親父……今まで……ありがとう…』
ナ ヤマタイ国の前のクナ国よりさらにはるか昔、むかーしむかし、東の島国を悪魔の手から救った桃色の髪に目は緑色の男の子がいたそうな、、、彼らは一族は2つに別れ
一つは東の島国でクナ国を作り、もう一つの一族は故郷の西欧のディアブル島に帰っていったそうな……
めでたし めでたし
完
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