ノトマコト

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神田愛山芸歴50周年の会 感想

講談師神田愛山先生が去年の古希の会に続き、今年は芸歴50周年を迎え、お祝いも重なる大変におめでたい会が続いています。 特に今年は愛山先生のお祝いの講談会が目白押し 名古屋に住んでいるため、なかなか聴きに行けないのですが 2/25にらくごカフェでありました芸歴50年記念会と今回イイノホールで行われた「神田愛山芸歴50周年の会〜AIZAN50〜」に行くことが出来ました。 らくごカフェ「愛山芸歴50年記念会」 らくごカフェの会にて愛山先生が 「イイノホールは夢の会場。 それをホ

    • シネマ歌舞伎「阿弖流為」

      阿弖流為は四年前のシネマ歌舞伎で初めて観た思い出深い作品だ。 私はそれまでに歌舞伎という伝統芸能を知ってみたいと三、四年シネマ歌舞伎を見続けていたが難しい話が多く、 「自分には歌舞伎は向いていないかも……。」っと心が折れそうになっていた時に出会った作品が、この『阿弖流為』だ。 当時、こんな歌舞伎もあるのか! と、衝撃を受けた。 いままで難しいと感じていた歌舞伎を自分でも楽しめるのではと希望を持った作品だった。 その『阿弖流為』を今日、改めて観て思ったのは 「阿弖流為って

      • 「神田松麻呂独演会3」円頓寺レピリエ

        名古屋で松麻呂さんの独演会が始まってようやく3回目。 嬉しいことに今の所皆勤賞で聴きに行けている。 名古屋では半年に一回くらいのペースですが、もっと聞きたい講談師。 松麻呂さんは他の講談会ではなかなか聴けないネタも持っていらっしゃるのでいつも何が聴けるのか新鮮にワクワクできる会です。 特にトリの話がいつも面白く 一回目は「壺坂霊験記」 二回目は「男の花道」 そして今回三回目は「佐倉義民伝 甚兵衛渡し」 私はまだまだ知らない演目が多く この佐倉義民伝も初めての聴く演目でし

        • 神田伯山 畔倉重四郎連続読み 初日

          2020年1月に行われた「神田松之丞 畔倉重四郎」 大須演芸場に5日間通い続けて聴いた話が今年、また名古屋に帰ってきた。 飛ぶ鳥を落とす勢いで若手人気講談師だった松之丞が伯山を襲名し 披露目興行、松之丞時代からの人形浄瑠璃共演、末広亭夜席の主任抜擢、姉弟子阿久鯉との慶安太平記俥読み、宮本武蔵続き読み、天明白浪伝連続読み、国宝となった師匠松鯉との歌舞伎座公演、叔父弟子愛山の次郎長伝との稽古をそのまま会にした相伝の会、相変わらず日本各地のホールを満杯にしながら様々な活躍を経た伯

          「神田阿久鯉・春風亭一之輔二人会」感想

          落語界と講談界それぞれの実力派名人が二人揃って名古屋で会を行われるということでとても楽しみにしていました。 チラシに記載があったのですが、お二人は実は同じ大学の先輩後輩なのだそう。 そういう知識があまりないので知ることができて嬉しいです。 当日のパンフレットにもお二人のつながりや大須の商店街や演芸場へのコメントがあり主催者さんの心配りがまた嬉しい。 合わせて、プロフィール紹介の欄で一之輔さんに10月付で五番弟子の「らいち」さんが入門されたことを知りました。 おめでとうござ

          「神田阿久鯉・春風亭一之輔二人会」感想

          映画「君たちはどう生きるか」ネタバレあり感想

          君たちはどう生きるか ネタバレあり感想 勢いままに書き殴りです。ご容赦下さい。 ジブリの最新作なのに広告を一切しないという異常事態。 わかっていることといえばタイトルと鳥男のイラスト、124分の冒険活劇ファンタジーであるということだけ。 むしろこの情報さえも本当の内容を隠す隠れ蓑なのではないかと疑ってしまう。 タイトルさえも本当は違うんじゃないか。 情報完全秘匿での映画公開に胸が騒いで仕方がなかった。 映画はサイレンの音から始まった 軒並らぶ木造日本家屋の映像とともに炎の

          映画「君たちはどう生きるか」ネタバレあり感想

          映画「浜の朝日と嘘つきどもと」感想

          「映画って、半分は暗闇を見ているんだって。」 初めは、落語界のアイドル「キョンキョン」こと柳家喬太郎師匠が映画に出演すると聞いて、おすすめされた映画だった。 いつも落語会で聴きに行っている落語家さんが出演されるということでなんだか身内が映画に出るような、ならば晴れの姿を観にいかねばという授業参観のような気持ちで映画館を訪れたのでした。 さらに、主演の高畑充希さんは以前、映画「鎌倉ものがたり」を観た時からすっかりファンになっていたので彼女が出るならきっといい作品だろうなと

          映画「浜の朝日と嘘つきどもと」感想

          「名も無い日」鑑賞のススメ

          ーこれは、ある現実の追体験の映画であるー 映画「名も無い日」を鑑賞した私の目線から、すでにこの映画を鑑賞した人。 また、これから観るであろう人にこの映画の鑑賞について語りたい。 ドキュメンタリー映画としての「名も無い日」 まず、映画のあらすじは名古屋市熱田区に生まれ育った3人兄弟の長男、達也(永瀬正敏)が主人公だ。 カメラマンになる夢を叶え現在はNYで生活を送っている。 そんな彼の元に、次男、章人(オダギリジョー)の訃報が届き地元に帰ってきたところから物語が始まる。

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          歌舞伎「文七元結」感想かきとめ

          ミッドランドスクエアで上映されているシネマで歌舞伎にて「人情噺文七元結」を鑑賞してきた。 感想を熱が冷めやらぬうちに拙筆ながら書き出したい。 1.映像作品としての見所開幕、長屋に長兵衛が帰宅するシーンから始まるが舞台には照明が全く灯っていない。 役者が登場しても顔や姿さえ見えない。 ガタガタ動く音と帰ってきた長兵衛の小言が暗闇の中、手探りで明かりを灯すまでかなりの長い尺を使われていた。 そうか、貧乏だったらそりゃ夜中に明かりをつけてあるのはおかしいよな。と納得した。 初めは

          歌舞伎「文七元結」感想かきとめ