おとぼけ日記 その33
昔の没ネタです
雪に覆われた通りが白いダイヤモンドの毛布のように輝く冬の街エリジウムで、誰もいない大通りの真ん中に一本の街灯がそびえ立っていた。控えめな歩哨であるその街灯は、何年も前からそこにあり、日常生活を送る街の住民たちを見守っていた。
しかし、街灯には秘密があった。それはただの照明器具ではなく、魔法と不思議に満ちた別世界への入り口だったのだ。
毎晩、街が眠ると街灯が明るく輝き、好奇心旺盛な人々をその神秘的な深みへと誘う。ルナという名の若い芸術家は、いつも奇妙で未知のものに魅了されていた。
ルナは畏怖と恐怖を感じながら街灯に近づき、その氷のように冷たい表面に触れようと手を伸ばしたとき、心臓が高鳴った。触れた途端、周囲の世界がぼやけ始め、歪み始め、渦巻く色と光の渦に引き込まれていくのを感じた。
ルナが目を開けると、そこは見たこともない世界だった。空は深い紫色を帯び、木々はまばゆい光を屈折させるクリスタルで飾られていた。今まで出会ったことのないような生き物の一団が、エーテルのような光を放ちながら彼女に近づいてきた。
「ようこそ、旅人よ」彼らは声をそろえて言った。「私たちはあなたを待っていた。この世界の秘密を解き明かし、その魔法をポータルの向こうの世界に持ち帰るために、あなたは選ばれたのです。」
ルナは、その予感に興奮と恐怖を覚えたが、もう後戻りはできないとわかっていた。彼女は素晴らしい才能を授かり、それを最大限に生かそうと決意した。そして彼女は、自分の人生を永遠に変える旅に出た。この神秘的な世界の秘密を学び、自分が愛する街にそれを持ち帰るのだ。
日が経つにつれ、ルナの作品には彼女が発見した魔法が反映されるようになり、街の住人は彼女の作品の変化に気づき始めた。彼らは、ルナがポータルを通して体験したのと同じ驚きと畏敬の念を目の当たりにし、彼女が自分たちよりも偉大な何かに触れたのだと知った。
こうして、街灯は雪に覆われた通りの真ん中にそびえ立ち続け、好奇心旺盛な人たちを手招きしながら、その先にある魔法への道を探し求めていた。エリジウムでは何でも可能であり、宇宙の秘密が解き明かされるのを待っていた。
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