書籍「どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2」(著者:宮口幸治)を読んで、自分自身を振り返ってみた。
新潮新書から刊行されている「どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2」(著者:宮口幸治)を読みました。
端的にわたしの感想を言ってしまえば、大変興味深く、面白かったです。
そこで本書を振り返りながら、わたしの感想や、この書籍の内容をわたしの身の回りの事柄に当てはめたらどうなるのか、そして今後どう対応したら良いのかを、まとめてみようと思います。
◆本書紹介
そもそもこちらの本は、児童精神科医である宮口幸治さんが書いた大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』の2作目にあたる書籍だ。
前作『ケーキの切れない非行少年たち』では、少年院に数多くいるとされる「ケーキを当分に切ること」さえできない少年たちに気付きを得て、人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当てていた。……らしい。
らしい、というのは、お恥ずかしながらわたしが前作を読んでいないからだ。なんとなく手に取ったのが『2』で、そのままそちらを購入したのだ。でもまあ、面白く読めたので、わたしのような2から読む人でもなんら問題はない。
話を戻すと、世間には「境界知能」の人たちをはじめ「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していて、いまも苦しんでいる。そういった人たちを紹介し、どういうふうに接して、支援を行ったら良いか。また、支援する人をどう支援したら良いかをまとめたのが『どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2』である。
本書は以下のような8章立てで、非常に丁寧に「頑張れない人たち」に関わることを語っているので、興味が出てきたなら、ぜひ1度ご自身で読んでいただきたいと思う。
◆わたしは頑張った方がいい?頑張らないほうがいい?
わたしは今現在、うつ病の療養中で働けていない。無意識に溜まったストレスが体調面に悪影響を与えていて、どうにも体調を崩しがちだったり、体力がなかったりする。これをなんとか「頑張って」解決しようとしているのだが、そもそもわたしは「頑張った」方が良いのか?それとも「頑張らない」方がいいのか?
結論から言ってしまえば、うつ病に関する内容は本書にはほとんど載っていない。
しかし、第2章ではこういう記述がある。
わたしも基本的には慣れないことを頑張りすぎて、ストレスを溜めたタイプだ。無意識にストレスを溜めすぎて体に症状として出てきているわけなので、わたしも「頑張りすぎる」のはやめた方が良いように思う。
しかし一方で、「頑張りたい」ことを無理に「頑張らない」のも違う気がする。本書においても、どうせできないから、といって本人が「頑張りたい」と思っていることを止めるのは違うと言っている。「頑張ってみて」それでもできないと悟り、自分の中で折り合いをつけていくことこそが大事だと。
わたしも「頑張っても」できなかった過去がたくさんある。わたしが「境界知能」かどうかは関係なく、人には向き不向きがあり、程度はどうあれできないことはたくさんあるだろう。そこを頑張りすぎたから体調を崩したのであり、一番大事なのは、その経験をその後にどう活かしていくかなのではないだろうか。
◆頑張ってもできないこと。頑張ったらできること。
では、わたしが「頑張っても」できなかったこと、うつ病になるほどストレスを溜め込んでしまった事柄はなんだろう。
パッと思い浮かぶのは、人々の間で人間関係に揉まれ続けることだ。具体的に言ってしまえば、リーダーとして社員・スタッフの人間関係を取りまとめていくということ。
共感能力が高く、人の気持ちをわかろうとしすぎてしまったり、面倒をみすぎてしまうわたしには、どうやらリーダー格は向いてなさそうだ。以前は、何年も書店でリーダー業務をやっていたが、それがストレスの原因として思いつく。どこの職場でもそうだが、さまざまな人間関係が渦巻いており、それらの相談役や面倒見役になってしまう立場というのは非常にわたしと相性が悪いのではなかろうか。業務としては「頑張って」できなくはないが、負担が大きすぎることを考えると、わたしの「頑張ってもできない」分野として認識しておくのが良さそうだ。
一方で、頑張ったらできることってなんだろう。
こうやって文章を打つことはできそうだ。というか、できている。今後仕事をするときが来たら、文章関係に集中できる仕事を選ぶと良さそうだ。いや、文章じゃなくても自分の目の前の仕事に集中できる仕事がわたしには向いていそうだ。また、そういった仕事を探すこともわたしは「頑張れそう」だ。
また、こうやって書くということは、下のnoteでも書いたが、わたしに取っては考えを整理し、ストレスを軽減させる効果があるようだ。それが仕事中でも適用されるのかどうかはわからないが、少なくとも文章力を磨けば磨くほど、ストレスの軽減に役立つことは間違い無いだろう。
◆では、いつ頑張るか。
本書の第3章で、面白い説が紹介されている。
心理学者のアブラハム・マズローの「欲求の5段階説」というものだ。もしかしたら知っている人もいるかもしれない。わたしも名前だけは知っていたからだ。それは本書では簡単に下のように説明されている。
この文章の後にそれぞれの欲求の説明があるのだが、それはあまりに長いので、省かせていただく。重要なのは、この4つの欲求が満たされないと「自己実現の欲求」が出てこないということだ。ちなみにわたしは「自己実現の欲求」をやる気とか意欲とかと同じようなものだと捉えた。その上で、自分の「欲求の5段階」がどういう状態かを見てみた。
すると、上のような状態となった。
先に述べたリーダーとしての責務のストレスに加え、過去に受けたパワハラやいじめのトラウマから“社会的欲求/所属と愛の欲求”と“承認の欲求”にダメージを受けていると感じた。自分が集団の一員・仲間であると確固として思ず、他者から認められたいとも思なかったからだ。
そこをケアしていかないとしばらく社会復帰は難しいだろう。騙し騙しできなくはないだろうが、またストレスを溜め込む羽目になってしまうと思う。
逆にここがケアされれば社会復帰はできそうだ。
しかし、治していくにはなんらかのコミュニティに入り、自分を承認してもらうような成功体験が必要だと思う。そのためには、コミュニティへの所属が鍵となるだろうか。
ーーいや。もう所属していると言ってもいいだろうか。
4月からnoteという場で、さまざまな人たちと交流を始めているからだ。それがうまくいったと確信できた時こそ、わたしが社会復帰できるときだろうと思う。
◆まとめ
こんな感じで、1冊の本から得た知見をわたし自身や身の回りことに当てはめて考えてみた。
作者の方が言いたかったこととはまた違うだろうが、少なくともわたしはこういった考えを得ることができて、非常に満足しているし、感謝もしている。
やはり本はいい。さまざまなことが得られるからだ。
あまりまとめにはなっていないと思うが、今後もこういったことがnoteでできたらな、と考えている。さまざまな知識や見方を教わったとしても、ちゃんと自身の地肉にするにはどうしても自分に置き換えて考えて見ることが必要だとわたしは思う。
おわり