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映画について書いたもの

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映画評や映画文化にまつわる文章。
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#現代アート

崩れゆく部屋と透明な建築の呼応—「ペドロ・コスタ 世界へのまなざし」

この文章は、2005年にせんだいメディアテークで企画した上映と展示「ペドロ・コスタ 世界へのまなざし」(2005年3月19日-29日/せんだいメディアテーク7階スタジオシアター、6階ギャラリー)に際して、未来社のPR誌『未来』(2005年3月号)に寄稿したものである。今思えば暴挙としか言いようのない仕事だったが、それもさまざまな人たちの協力_それを友情と言ってもよい_によるもので、これを書く機会を得たのもその一例である。 初出:『未来』No.462(2005年3月) まるで

森を満たす不穏な残響 (『echo』/澤田サンダー)

まったく別の用件で訪れた青森の国際芸術センター青森[ACAC]で、ちょうどそのとき展示されていた「ヴィジョン・オブ・アオモリ vol.11/澤田サンダー|echo」について、せっかくなので何か書いてくださいとお願いされて書いたもの(一応は映像が専門と目されたためだろう)。今でも、いわゆるギャラリー展示における映像作品は頭から見るべきか、実はどこから見ても良いのか(むしろそれを推奨しているからこそギャラリーで展示しているのか)考えることがある。むしろ、作家や企画者ははっきり示し