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アーカイブ:2010-2021年

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2010-2021年のあいだに、せんだいメディアテークの企画に関するものや各種媒体(新聞や小冊子など)に寄稿した文章。
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2022年8月の記事一覧

あなたの記憶は、私たちの歴史である—「どこコレ—おしえてください昭和のセンダイ」

たまたまご縁があって、大阪にあるギャラリー「Port Gallery T」を運営されていた方から『映像試論100』という同人誌を出すのに誘われて書いたものである。 「どこコレ—おしえてください昭和のセンダイ」とは、せんだいメディアテークとNPO法人20世紀アーカイブ仙台の共催で第1回を2013年に行い、10年も続く恒例行事になっているだけではなく、全国各地で展開しているものである。思いついた当初は職場でもほとんど関心を持たれず予算も付かなかったが、個人的には(今思えば奇妙なほ

森を満たす不穏な残響 (『echo』/澤田サンダー)

まったく別の用件で訪れた青森の国際芸術センター青森[ACAC]で、ちょうどそのとき展示されていた「ヴィジョン・オブ・アオモリ vol.11/澤田サンダー|echo」について、せっかくなので何か書いてくださいとお願いされて書いたもの(一応は映像が専門と目されたためだろう)。今でも、いわゆるギャラリー展示における映像作品は頭から見るべきか、実はどこから見ても良いのか(むしろそれを推奨しているからこそギャラリーで展示しているのか)考えることがある。むしろ、作家や企画者ははっきり示し