世界の名ボクサー:カルロス・サラテ②「正確無比なKOアーチスト」
WBC世界バンタム級王者。ライバルとの決着戦&安定の防衛戦。アルフォンソ・サモラ戦、ダニロ・バチスタ戦、ファン・ロドリゲス戦、アルバート・ダビラ戦ほかを紹介します。
カルロス・サラテ(メキシコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①カルロス・サラテ 4R KO アルフォンソ・サモラ
(バンタム級戦、1977年)
(ダウンシーン)
3R:右フックでサモラがダウン
4R:左フックで2度、サモラがダウン
(感想:軽量級屈指の好カード。当時、サモラはWBA王者。サラテはWBC王者。両者の名の頭文字から『Zボーイズ』と呼ばれたほど両者は人気選手。ただ、当時のメキシコのファンは荒々しい攻めをするファイタータイプのサモラの方が「お気に入り」だったらしい。共に全勝。サモラは全てKO勝ち。本来なら二人の対戦は統一戦になるところだが、両団体の関係が険悪なためノンタイトル戦になった。元々両者はクーヨ・エルナンデスの弟子。サモラとクーヨの関係が契約のこじれから悪化して決裂。かつての同門が決着戦を行うことに。ファイターのサモラ、闘牛士のようなサラテ。ファイトスタイルが全然違う者同士の決着戦はどちらに軍配が? カリフォルニア「フォーラム」での一戦(レフェリーは若き日のリチャード・スティール。映像を持っている方は髪型に注目されたい)。1Rにハプニング。両者が慎重に警戒し合っているところにタンクトップ男がリングに乱入。警官隊に引きずり降ろされた(「ホリフィールド vs. ボウ」の再戦でもこういう許し難い妨害があった)。再開後は打撃戦に。共に器用に左を使うタイプだが、サラテが長いパンチを正確にヒットさせて優勢。3R、右フックでサモラがダウン。4Rには左フックでサモラが二度ダウンしてKO。サラテが意外なほどの圧勝。サモラはパンチの振りが大きいため隙があり、攻撃もディフェンスされてしまった。この後、サモラは再起戦でホルヘ・ルハン(パナマのテクニシャンタイプ)にもKO負けして王座陥落。サラテは単に勝っただけではなく、サモラを完全に破壊してしまったようだ。)
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