世界の名ボクサー:ジョー・ルイス③「”人類の誇り”と呼ばれた男」
世界ヘビー級王者。世界王座25連続防衛。世界挑戦&防衛戦。ジェームス・J・ブラドック戦、トミー・ファー戦、ネイサン・マン戦、マックス・シュメリング戦(再戦)を紹介します。
ジョー・ルイス(アメリカ)
身長187cm:オーソドックス(右構え)
①ジョー・ルイス 8R KO ジェームス・J・ブラドック
(世界ヘビー級タイトル戦、1937年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでルイスがダウン
8R:右ストレートでブラドックがダウン
(感想:ルイスがタイトル獲得。黒人には門戸が開かれていなかった「世界ヘビー級王座」(初の黒人世界ヘビー級王者ジャック・ジョンソンの時代には黒人専用の世界ヘビー級王座があった)。ルイスの実力と人柄が認められ、ついに世界初挑戦。王者ブラドックはニューヨーク出身。トミー・ローランとニューヨーク州公認世界ライトヘビー級王座を争ったが、判定負け。その後は勝ったり負けたり。そして連勝。その勢いに乗って世界ヘビー級王者マックス・ベアに挑戦。判定で王座奪取。番狂わせの結果だったことからブラドックは「ザ・シンデレラマン」と呼ばれるようになった。そしてこのルイスとの初防衛戦。シカゴでの一戦。古いタイプのボクサー、ブラドック。1R、アップライトな姿勢でジャブ、フック。特に右パンチに自信があるようで、右フックを振るう。ルイスはいつものように前傾姿勢でジャブ。接近するルイスだが、右フックでダウン。その後はルイス優勢。正確にジャブを当て、右ストレート、フック連打。ブラドックはタフネスで前に出るがディフェンスに隙があり、右を打たれる。8R、左フックからの右ストレートでブラドックがダウン。うつぶせに倒れたままカウントアウト。新王者誕生。ここから長い「ルイス時代」がスタート。「古い時代のボクシング(アップライト)」から「新しいボクシング(前傾姿勢で強打&ディフェンス)」へ移行。マスコミ(新聞)はルイスの勝利に「(ルイスは)人種の誇りだ」と最大級の讃辞を送った。一方、初防衛に失敗したブラドック。その後、カムバックして判定勝ち(相手はトミー・ファー。ルイスが初防衛戦で戦った選手。その再起戦でブラドックと対決)。それが最後の試合となった。)
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