世界の名ボクサー:ロベルト・デュラン④「パナマの ”石の拳”」
世界四階級制覇王者。ライト級時代、ライバルと決着。ビロマー・フェルナンデス戦、エドウィン・ビルエト戦(再戦)、エステバン・デ・ヘスス戦(三戦目)ほかを紹介します。
ロベルト・デュラン(パナマ)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①ロベルト・デュラン 13R KO ビロマー・フェルナンデス
(WBA世界ライト級タイトル戦、1977年)
(ダウンシーン)
12R:フェルナンデスがダウン
13R:左フックでフェルナンデスがダウン
(感想:デュランがタイトル防衛。10度目の防衛戦(77年初試合、1月)。挑戦者フェルナンデスはドミニカ人。三連敗を喫したこともあったが、アントニオ・アマヤ、レイ・ラムキン(デュランの6度目の防衛戦の相手)に勝利。ただ、直前の試合では2-1で判定負けしている。フロリダ州マイアミビーチでの一戦。距離を取ってジャブを打つフェルナンデス。右カウンター、左フックに良さがあるが、クリンチが多い(打ち合いを避けようとする戦い方。デュランの対戦相手はよくこの手を使う。「石の拳」は相当強いようだ)。デュランはいつものように前進。右ストレート、アッパー気味のフック、ボディ打ちにパワーがあるが、クリンチされて攻めにくい。「もっと手を出すように」とレフェリーがフェルナンデスに警告。12R、激しい打ち合い。しかし、フェルナンデスはクリンチ。コーナー付近でヒザを着き、それを「ダウン」としてカウントされてしまう。そして激しい打ち合い。しかし、フェルナンデスにとってこれは危険な行為。右ボディが効いてしまい左フックでダウン。座り込んだままギブアップするかのような形で10カウントを聞いた。デュランが相手を追い回してKO。しかし、こういう勝ち方は「勝負」としては正直なところ面白くない。ライト級時代のデュランは「パワーで互角に戦える相手」に恵まれなかったような気がする。フェルナンデスは他の「足を使うチャレンジャー」と同様の結末となった。その後、フェルナンデスはWBC世界J・ライト級王者アレクシス・アルゲリョをノンタイトル戦で破る番狂わせで再注目。しかし、ハワード・デービス・ジュニア、ヒルマー・ケンティ(WBA世界ライト級王座戦)、アルゲリョ(再戦)に敗北。受け身の試合ぶりのため、トップにはなれなかった。)
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