世界の名ボクサー:トーマス・ヒットマン・ハーンズ⑦「デトロイトの暗殺者」
80年代のスター。世界5階級制覇王者。複数階級制覇への挑戦。デニス・アンドリュース戦、ファン・ドミンゴ・ロルダン戦、アイラン・バークレー戦(初戦)、ジェームス・キンチェン戦を紹介します。
トーマス・ハーンズ(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①トーマス・ハーンズ 10R TKO デニス・アンドリュース
(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1987年)
(ダウンシーン)
6R:右ストレート、左ボディフック、左フックで3度、アンドリュースがダウン
9R:右フックでアンドリュースがダウン
10R:左フック(?)でアンドリュースがダウン
(感想:ハーンズが三階級制覇。「ヒットマン」ハーンズ。これまでウェルター、J・ミドルの世界王座を獲得、防衛してきたが、マービン・ハグラーにぶっ飛ばされ、世界ミドル級王座獲得ならず。そこで、さらに階級を上げ、L・ヘビー級に挑戦。身長があり、リーチも長いハーンズだが、体重・耐久力の方はどうか? 王者アンドリュースはガイアナ生まれでイギリス国籍。勝ったり負けたりのキャリアであったが、英国L・ヘビー級タイトル獲得。そしてJ・B・ウィリアムソンからWBC世界L・ヘビー級タイトルを奪取。英国の白人トニー・シブソン相手に初防衛に成功。これが二度目の防衛戦となる。デトロイト(ハーンズの地元)で行われた一戦。アンドリュースはジャブと振り回すフック。ハーンズはアンドリュースのパワーを警戒しながらジャブ。6R、見事なタイミングの右ストレートでアンドリュースがダウン。その後、アンドリュースは立て続けにダウン。仕留めようとするハーンズが猛ラッシュ。9Rにもダウンを奪う。10Rのダウンはグダグダな感じで倒れたもの。アンドリュースは立ったがフラついており、ストップされた。パワーでは負けてはいなかったが、バランスの悪さとディフェンスのヘタさで完敗のアンドリュース。ハーンズのテクニックに感動したらしく、後、ハーンズが所属する「クロンクジム」に入門(そして世界王座奪回。ジェフ・ハーディングとのライバル戦で会場のファンを沸かせた)。ハーンズはミドル級の世界王座を目指すため、防衛戦を行うことなくWBC世界L・ヘビー級王座を返上。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?