世界の名ボクサー:輪島功一③ラスト「KOされても王座に返り咲く "炎の男"」

世界J・ミドル級王者。世界王座を三度獲得した根性の男。世界王座防衛戦と新たな挑戦。柳済斗戦(初戦・再戦)、エディ・ガソ戦(ラストファイト)を紹介します。

輪島功一(日本)
身長171cm:オースドックス(右構え)

①柳済斗 7R KO 輪島功一
(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1975年)
(ダウンシーン)
7R:左フック、右フック、右ストレートで3度、輪島がダウン
(感想:柳がタイトル獲得。WBC王座を剥奪されてしまった輪島(新WBC王者となったのは輪島と二度戦ったミゲル・デ・オリベイラ)。「WBA王者」として防衛戦。挑戦者は東洋ミドル級王者の柳済斗(ユウ・ジェドゥ。日本では「りゅう・さいと」と呼ばれたことも)。東洋王座をこれまで14度も防衛してきており、エジキになった日本選手も大勢(カシアス内藤ほか)。北九州での一戦。輪島がいつものように前進。柳はフットワークを使って距離を取り、ジャブ、ストレート。左フックも強い。接近戦で柳がクリンチ。輪島のねちっこい攻めを阻止。4R、柳の右がヒット。5R、ラウンド終了とほぼ同時に柳の右がヒットして輪島がダウン(「ゴング後のパンチ」とされている問題のシーン。タイミング的に微妙なパンチだった。ボクサーはラウンド終了のゴングが鳴ったとしてもすぐにガードを解除してはならない)。7R、右フックからの左フックで輪島がダウン。さらにダウン。最後は猛烈な連打からの右ストレートで試合終了。5R終了時のハプニングは輪島には不運だったが、柳は打ち方が良く、強いパンチを持っていた。「輪島」と言えば「接近戦でのねちっこい攻撃」であるが、柳は輪島をよく研究したのか、「接近戦はお断り」とばかりにクリンチして自分の得意な距離で戦った。輪島はいつもの攻めまくる戦い方が通用せず(「いつかは逆にやられるのでは?」という戦法)。今度こそ引退、と思われたが・・・。)

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