世界の名ボクサー:ナイジェル・ベン④「暗黒の破壊者」

世界ミドル、スーパーミドル級王者。スーパーミドル級で再起。ロビー・シムス戦、レンジー・モーガン戦、ダン・シェリー戦、スラニ・マリンガ戦(初戦)ほかを紹介します。

ナイジェル・ベン(イギリス)
身長177cm:オーソドックス(右構え)

①ナイジェル・ベン 7R KO ロビー・シムス
(ミドル級戦、1991年)
(ダウンシーン)
7R:左フック、右フックで2度、シムスがダウン
(感想:クリス・ユーバンクにKOされてWBO世界ミドル級王座を失ったベンが再起戦。相手はベテランの域に入っている実力者。シムスはあのマービン・ハグラーの弟(親が離婚したため兄弟で名前が違う。シムスは母親の姓)。ニュージャージー州出身。後、マサチューセッツ州に移住し、兄マービンと共にトレーニング。アマチュアからプロへ。若手時代にアイラン・バークレーにKO勝ち。ダグ・デウィット、ロベルト・デュランにも勝利したが、スンブ・カランベイの持つWBA世界ミドル級王座に挑戦して判定負け。ダグ・デウィットと新設されたばかりのWBOの世界ミドル級初代王座を懸けて再戦したが、これも判定負け。新鋭デニス・ミルトン、ロン・エセットにも敗北し、ピークを過ぎた感がある状況。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。フットワークとジャブを使って右ストレートを狙うシムス。荒々しいファイトが売り物のベンは接近してフック攻撃。7R、左フックが効いたシムス。さらに左フックを追撃されて痛烈なダウン。足に来ているシムス。右フックで二度目のダウン、KO。ベンが快勝。前試合の後遺症を感じさせない気合いが入った戦いっぷりだった。シムスも力強かったが、リングサイドで観戦の兄マービンの声援に応えることはできなかった。その後、シムスは王座戦はナシ。素質的には世界王座を獲ってもおかしくない実力を持っていたが、相手が強かったり、試合運びに難があったり。兄ほどの強さ・器用さがなかったのが残念。)

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