世界の名ボクサー:アズマー・ネルソン⑤「アフリカの野生児」

世界二階級制覇王者。因縁の再戦&若手に苦戦。ジェフ・フェネック戦(再戦)、カルビン・グローブ戦、ガブリエル・ルエラス戦(初戦)、ジェシー・ジェームズ・レイハ戦(初戦)を紹介します。

アズマー・ネルソン(ガーナ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)

①アズマー・ネルソン 8R TKO ジェフ・フェネック
(WBC世界J・ライト級タイトル戦、1992年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでフェネックがダウン
2R:右フックでフェネックがダウン
8R:左右フック連打でフェネックがダウン
(感想:ネルソンがタイトル防衛。七度目の防衛戦は因縁の再戦。これが92年初試合(3月)となるネルソン。前回のフェネック戦(91年6月、引き分け)から間が空いたが、コンディションはどうか?   フェネックはネルソンとの初戦後、調整試合で判定勝ち。そして、再び四階級制覇に挑戦。オーストラリア・メルボルンでの一戦(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。互いの力をよく知っているため共に1Rから激しく打ち合う。右ストレートが「ガツン」といった感じで入ってフェネックがダウン。これで試合の流れが決まったか、フェネックが接近戦を仕掛けるがネルソンは離れた位置から強烈なストレート、フックを当てる。2Rにも倒されたフェネック。3R終了時、エキサイトしたのか焦ったのか、ネルソンにヒザ蹴り。そして8R、左右フック連打でフェネックがダウン。立ったが、猛烈な連打を浴びてレフェリーストップ。ネルソンがタフなフェネックを破壊(「リング誌」の「アップセット・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた)。マリオ・マルチネスを再戦でKOするなど、再戦には滅法強いネルソン。「同じ手は二度喰わない」のが一流選手の証。フェネックはこれが初めての敗北。元々真っ直ぐ攻めるクセがあり、階級を上げて動きのスピードも落ちた。この敗北はいつか訪れるものだった。その後のフェネック。一年以上ブランクを置いて再起戦を行ったが、カルビン・グローブ(元IBF世界フェザー級王者。スピードが武器で、パワーはそこそこ)にKO負け。そして、またブランク。二年後にカムバックしてフィリップ・ホリデイのIBF世界ライト級王座に挑戦してKO負け(1996年)。話はここで終わらない。何と2008年にカムバックしてネルソンと三度目の対決。これに2-0で勝利して引退。その後はトレーナーに転身。若い選手のセコンドに付く姿はボクシング中継でおなじみになった。)

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