世界の名ボクサー:トニー・タッブス④ラスト「速いジャブが武器のヘビー級」
WBA世界ヘビー級王者。全盛を過ぎてもリングへ。エベレット・マーチン戦、ジミー・サンダー戦、ブライアン・ニールセン戦、ヒルベルト・マルチネス戦を紹介します。
トニー・タッブス(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①トニー・タッブス 10R 判定 エベレット・マーチン
(ヘビー級、1994年)
(感想:これまで37勝(20KO)5敗の元世界王者タッブス。プロ45戦目の相手はタフ男。18勝(8KO)17敗1分のマーチンはテキサス出身の黒人。ニックネームは「Bigfoot」だが、身長は182cmでそれほど大きくない。元々はヘビー級ではなかったが、チャンスを求めてヘビー級へ。バート・クーパーに勝利。しかし、ドワイト・ムハマド・カウイ、ジョージ・フォアマン、リディック・ボウらに敗北。ティム・ウィザスプーンに勝利。トニー・タッカー、ラリー・ホームズ、ハービー・ハイドに三連敗してこのタッブス戦。このところ名のある選手と連続して戦っているが、その経験が生きるかどうか? ミシガン州での一戦。共にジャブ。ズングリした体型のマーチンは動きのスピードに欠け、フックの振りが大きい。タッブスはパンチにスピードがある。速いジャブ、右パンチで相手の隙を突く。前に出るがかわされ、クリンチされのマーチン。6R、タッブスが右フックからの左フック(迫力)。8Rにはワンツー、10Rにはワンツーからの左フック。力強い攻撃だが、相手をKOするような攻めではない。10R終了。判定は3-0(三人とも100-90のフルマーク)。タッブスがジャブ、ディフェンスで勝利。しかしながら、タッブス。パワフルなパンチを持っているにもかかわらずKOを狙わない。テクニックで勝てれば彼としては満足なのだろうが、ファンとしては力強いKO勝利を見たいもの。一方、スピードが無かったマーチン。ラウンド終了ごとに「うまくいかない」といった感じでコーナーに引き上げる姿に少し悲しいものがあった。その後、マーチンはウラジミール・クリチコらを相手に負けが続き、通算戦績20勝(9KO)39敗1分。KO負けは「12」で少な目。死因は不明だが、2022年に58歳で亡くなった。)
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