世界の名ボクサー:フェリックス・トリニダード①「プエルトリコ最強の男」

世界三階級制覇王者。世界王者になる前の試合&IBF王座戦。ルイス・ペレス戦、モーリス・ブロッカー戦、ルイス・ガルシア戦、アンソニー・スチーブンス戦ほかを紹介します。

フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①フェリックス・トリニダード 2R KO ルイス・ペレス
(J・ウェルター級戦、1990年)
(ダウンシーン)
2R:右ストレート、ワンツー、右ストレートで3度、ペレスがダウン
(感想:「プエルトリコの天才」トリニダード(ニックネームは「Tito」。スペイン語で「親しみを込めて人を呼ぶときに使う愛称のようなもの」らしい)。世界ウェルター級、J・ミドル級、ミドル級王座獲得の三冠王。しなやかな身体から繰り出す伸びるパンチ、一撃で相手を倒すパワーの左フックが武器。その実績からおそらく「プエルトリコ最高のボクサー」。サンファン出身。父シニアがプロボクサーだったことから12歳でボクシングを始め、アマチュアではナショナル王者になるなど敵無し。プロ入り後はシニアがマネージャー兼トレーナーで、これまで全勝(大学に通う勉強家でもある)。ペレス戦はプロ7戦目。ペレスもプエルトリカンでトリニダードと同様、1990年デビュー。キャリアはまだ浅い。サンファンでの一戦。スリムなトリニダード。派手な赤いトランクス。ペレスはブルー。共にガードを上げてジャブ、ワンツー、左フック。パンチがシャープで、動きも素早い。ペレスがワンツーからの左ジャブといったテクニックを披露。左フックを当てる巧さも。全般的に前に出るトリニダード、距離を取るペレス、といったパターン。2R、左フックを決めたペレスだが、右ストレートでダウン。立ったが、さらにワンツー、右ストレートで二度ダウンを喫してKO。トリニダードが右ストレートで勝利。左パンチを食うなど長い試合になりそうな雰囲気もあったが、伸びとパワーのあるストレートでペレスを一気に仕留めた。ペレスは残念。アウトボクサーというのはタフネスに自信がない人たちなのか、受け身だった。その後、ペレスはプエルトリコ王座(J・ミドル級)獲得。しかし、WBAの地域王座戦(J・ミドル級)に敗北。中堅どころでキャリアを終えた。)

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